• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

近代日本における「方言」研究史をめぐる言説分析

研究課題

研究課題/領域番号 10710202
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 国語学
研究機関京都大学

研究代表者

安田 敏朗  京都大学, 人文科学研究所, 助手 (80283670)

研究期間 (年度) 1998 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード方言 / 標準語 / 国民国家 / 帝国 / 共通語 / 小倉進平
研究概要

昨年度においては、研究課題に関連して、近代日本における「方言」認識の、時期による変化をとらえる理論的わくぐみの構築および諸資料の整理を中心的におこなった。「方言」という概念が、「標準語」という言葉の成立とともに明確化されてきたことが示すように、近代においては「標準語」を一対一対応という形でしか「方言」はその存在が認識されなかったのである。比較言語学的手法の導入などで「国語」の体系の中に「方言」は組みこまれていった。こうした対応関係をつくり、「国語」や「標準語」に国民国家運営の価値があたえられることで、「方言」は容易に、「遅れた」、「均質化を阻害する」存在へと転化した。その一方で、「古語は方言にのこる」という表現にみられるような、日本語の「歴史」の痕跡をのこす存在として、あこがれにも似た感覚で「方言」がとらえられていった。こうした認識の二面性の交錯の歴史が、近代における「方言」に関する言説の基底を形成していったのである。また、日本の植民地支配の中で、植民地異言語を日本語の「方言」として位置づけていく言説もあらわれた。言語学的な同系論ばかりではなく、使用領域に「方言」との類似性をみいだす論調も生じた。一方で、植民地の日本語非母語話者の日本語を「台湾方言」「朝鮮方言」と称して、とくにアクセントの面から日本語の「方言」体系のなかに組みこむ研究もなされていった。こうしたさまざまな言説の構造の歴史的変還を各論文において公表し、著作としてまとめたのが、今年度の成果である。

報告書

(2件)
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 安田 敏朗: "「方言」の語り方と植民地-大東亜省調査官 寺川喜四男の場合"思想. 899号. 112-128 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安田 敏朗: "戦争と地名-「大東亜戦争」の場合"ことばと社会-多言語社会研究. 1号. 60-77 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安田 敏朗: "戦前・戦後日本の言語事件史・戦前編"ことばと社会-多言語社会研究. 1号. 185-198 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安田 敏朗: "<国語>と<方言>のあいだ-言語構築の政治学"人文書院. 412 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安田 敏朗: "「方言」認識の諸相" 現代思想. 26巻10号. 192-205 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 安田 敏朗: "日本語論のなかのアジア像" 立命館言語文化研究. 9巻5・6合併号. 63-76 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 安田 敏朗: "「言語」の構築-小倉進平と植民地朝鮮-" 三元社, 321 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書

URL: 

公開日: 1998-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi