研究概要 |
本年は成果発表の年であり、8月ベルギーで開催された第25回国際宗教社会学会の「洗脳と新宗教運動」部会において Formation of a new religion and its conflict with community : Case study of a new religious sect,Tenchi-Seikyo,affiliated with Unification Church,(25th International Conference of International Society for the Sociology of Religion 26-30 July 1999 Maria Theresia College Leuven Bergium Handbook of tha 25th Conference pp.115-116)の発表を行った。また、日本では、「新宗教集団による暴力への抗議の理天地正教とコミュニティ」日本宗教学会(南山大学9月19日)の発表を行った。 セクト教団対策が西欧諸国で実施されている反面、信教の自由を擁護し、学問的厳密性をきす立場から過剰なカルト批判反論を加える議論も展開され、理論、実践の両面においてこの問題がトピックになっていることが確認された。西欧、特にメリカの宗教社会学では、カルト、マインド・コントロール論の是非、教団の資金調達や信者獲得活動と社会の軋轢、脱会門家の問題等に関して、20年近くの研究蓄積がある。しかし、日本は新宗教研究自体の蓄積はあっても、社会問題化する教団動の研究は皆無に近い。本研究は宗教社会学の学問的趨勢からも当然なされるべき研究であったが、現時点では社会的要請加わったと言える。本年9月の日本宗教学会の「宗教と暴力」パネルにおいて、筆者は教団調査法の再検討と教団被害に対する宗教研究者の現実認識を問う報告を行い、少なからぬ研究者が関心を示してくれた。
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