研究課題/領域番号 |
11153215
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
吉川 潮 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (40150354)
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研究分担者 |
小西 博昭 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助手 (40252811)
酒井 規雄 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教授 (70263407)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | PKB / PHドメイン / 蛋白質リン酸化酵素 / ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ / 熱ショック / ストレス / Hsp27 / オリゴマー |
研究概要 |
PKBはPHドメインを持つセリン/トレオニン蛋白質リン酸化酵素であり、細胞増殖因子刺激によりホスファチジルイノシトール3-キナーゼの下流標的として活性化を受け、また、その生理作用としてアポトーシス抑制に関与することから注目を集めている。私どもはこれまでにPKBが細胞増殖因子のみならず過酸化水素処理、熱ショック等の各種ストレス刺激によっても活性化を受けることを明らかにしている。そこで、本研究ではストレス刺激によるPKB活性化の分子機構を検討した。まず、細胞増殖因子とストレスによるPKB活性化を比較した結果、過酸化水素処理は細胞増殖因子と同様にホスファチジルイノシトール3-キナーゼ活性を上昇させることによりPKBを活性化することが明らかになった。一方、熱ショックはホスファチジルイノシトール3-キナーゼ活性をわずかに上昇させるものの、熱ショックによるPBK活性化はホスファチジルイノシトール3-キナーゼ阻害剤により完全に抑制を受けなかった。すなわち、熱ショックはホスファチジルイノシトール3-キナーゼとは独立の機構でPBK活性化を誘導することが示された。さらに、熱ショック処理細胞から回収したPBKはゲルろ過法では蛋白質複合体として高分子量の位置に溶出された。このPKB蛋白質複合体はPKB同士がそのPHドメインを介して会合したオリゴマーであり、PKBに結合することが報告されている分子シャペロンHsp27がオリゴマー形成に関与することが示唆された。以上の結果から、細胞ストレスによるPKBの活性制御には複数の分子機構が存在し、PKBは多彩な外界シグナルに対する細胞応答に重要な役割を果たしていると考えられる。
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