配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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研究概要 |
衝突安全性と協調作業性の両面から,要素技術とシステム統合化技術を見直すことにより,人間共存のための新しいロボット設計論,および生活環境に適用可能な実用的行動規範を導出した.これらの有効性は,全体システムが安全に人間との協調作業を遂行できたことにより実証的に示した.成果の要点を以下に示す. 設計論:人間共存ロボットの安全設計・制御パラメータを体系化した.パラメータの導出・整理に際しては,作業中に生じうる衝突状況や作業性維持のためのマニピュレータ動作などを図式化した衝突安全技術マップを考案・利用した.このマップにより,ロボット本体の設計手法,人間-ロボット共存系の標準的環境設計手法,作業シナリオ生成手法などを容易に得ることが可能となった. 行動規範:アクチュエータレベルの対策に加えて,関節および全身レベルでの安全行動規範を構築した.関節レベルでは受動柔軟性を利用して衝撃などの外乱が加わった際にも安全性を維持可能な動作制御系,全身レベルでは手先に与えられた作業拘束を考慮しつつ協調作業性と衝突安全性を両立可能な接触行動制御系を開発した.これらの統括部として,人間-ロボット間の接触状態,環境状況,および作業内容を表すパラメータ群から行動を決定する内部モデルを考案した. 実装と評価:「機構と制御による2重構造安全対策」に基づく身体メカニズムと接触状況認識機能を備えた緩衝カバーを開発し,人間共存ロボットWENDYシステムとして統合した.このシステムは,受動柔軟関節を含む80以上のアクチュエータと100以上のセンサを持ち,開発した行動規範を用いて物理的インタラクション方法を決定する.評価実験は,手先作業精度と緩衝機能の両立,運搬移動中の衝突回避や接触力制御など,基礎的な動作から実際的かつ難易度が高い作業まで幅広く行った.以上の結果,統合システムが衝突・接触安全を実現していることを確認できた.
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