研究課題/領域番号 |
11740481
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
米田 穣 国立環境研究所, 化学環境部, 研究員 (30280712)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 放射性炭素 / 北太平洋 / 年代測定 / リザーバー効果 / 溶存無機炭酸 / 加速器質量分析 / 貝塚 / 動物骨 / 溶存無機炭素 / 深層水 / 熱塩循環 |
研究概要 |
大気圏内核実験による人為起源放射性炭素の付加によって、現代、炭素リザーバー間の同位体平衡は乱されている。そのため、海洋に溶存する無機炭酸(DIC)における放射性炭素の天然レベルを調べるには、核実験以前(1950年以前)の海洋試料における放射性炭素濃度を測定し、その見かけ上の炭素年代から地域的な補正地を評価する必要がある。このような放射性炭素年代の変動を「放射性炭素年代における海洋リザーバー効果」と呼び、海洋に由来する試料の正確な年代を決定するために、また人為起源放射性炭素をトレーサーとして用いる時の基礎データとして非常に重要である。その地域補正値(ΔR値)は世界中の海域において盛んに研究がなされているが、日本列島をふくむ西部北太平洋域では系統的な研究がされてこなかった。そこで本研究では、昨年度から戦前に採取された海洋生物試料の放射性炭素濃度を測定し、その値を決定することを試みた。さらに、本年度は北海道噴火湾沿岸の貝塚遺跡から出土した動物骨で大気・陸上リザーバーと海洋表層水リザーバーの放射性炭素年代を比較した。これによって過去のリザーバー効果の変遷が復元されると期待される。また、その変遷と地球環境との関連を検討することによって、海洋に関する新たな古環境プロキシとしての有効性を検討した。 縄文時代から近世にいたる遺跡から出土したオットセイとシカの骨を比較した結果、一貫してオットセイにおける放射性炭素年代が800年程度古くなることが分かった。その変動の大きさは時代によって有意な相違を示しておらず、約4800年前から現在まで当海域における湧昇の強度は比較的安定であったことが明らかになった。
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