研究課題/領域番号 |
12031216
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 重信 広島大学, 医学部, 教授 (30026843)
|
研究分担者 |
山下 拓史 広島大学, 医学部, 助手 (20311813)
片山 禎夫 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00211160)
川上 秀史 広島大学, 医学部, 助手 (70253060)
丸山 博文 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90304443)
|
研究期間 (年度) |
2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | アルツハイマー病 / パーキンソン病 / 神経変性疾患 / 神経細胞死 / グルタミン酸 / L-2-(carboxycyclopropyl)-glycine / グルタミン酸輸送蛋白 / ナトリウム |
研究概要 |
アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患は神経細胞の脱落によって生じる。神経細胞の死滅を引き起こす一つの要因としてグルタミン酸によるカルシウム流入が挙げられている。グルタミン酸の起源として神経終末からのグルタミン酸放出が想定されていた。われわれの研究によって、細胞外ナトリウムなどの細胞外の電解質濃度を変化させるとグルタミン酸輸送蛋白を介してグルタミン酸を細胞外に放出されることが明らかにされた。すなわち、脳虚血や頭部外傷が生じると脳の細胞が損傷を受けて、細胞内外のイオン濃度が異常になり、細胞外のナトリウム濃度が低下し、カリウム濃度が上昇する。このようなイオン濃度の変化によりグルタミン酸輸送蛋白が逆回転して正常状態ではグルタミン酸を取り込むはずのところが、グルタミン酸を放出するようになる。このようなグルタミン酸輸送蛋白の逆回転によってグルタミン酸が細胞外に放出されて、神経細胞死を招く可能性がある。そこで、グルタミン酸輸送蛋白によるグルタミン酸の放出を抑制する薬物を検索した。その結果、グルタミン酸類縁物質であるL-2-(carboxycyclopropyl)-glycineのアイソフォームのうちIII型とIV型がグルタミン酸放出に対して阻害することが明らかとなった。これらの薬物が神経変性疾患における神経細胞死を阻止するのに役立つ可能性があると考えられた。今後、さらに類似の構造を持つ薬物がグルタミン酸の放出を阻害するかを検索してゆく予定である。
|