配分額 *注記 |
34,980千円 (直接経費: 31,200千円、間接経費: 3,780千円)
2001年度: 16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2000年度: 18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
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研究概要 |
本研究においては,遺伝性神経変性疾患の発症機構として,CAGリピートの異常伸長に焦点を当て,1.CAGリピートの異常伸長による疾患を同定するためのアプローチ,2.CAGリピートの異常伸長による神経細胞の変性機構を解明することを目的に研究を行った.1.CAGリピート病の侯補遺伝子を検索するアプローチとして,脳で発現している遺伝子の中でCAGリピートを有する遺伝子群に着目して,遺伝子クローニングを行った.その結果,CAGリピートを有するcDNAとして,重複クローンを除いて,92個の独立したクローンを得た.これらのcDNAクローンの中で,CAGリピート数が10以上のものを疾患候補遺伝子と考え,41個のクローンについて,primer pairを設定して,PCR条件の設定を行い,病因遺伝子不明の遺伝性神経変性疾患症例のパネルを用いて,候補疾患遺伝子として検索を続けている.2.CAGリピートの異常伸長による遺伝性神経変性疾患の病態機序については,変異タンパクの核移行と核内集積による核の機能障害の実態を明らかにすることを目的に,われわれがこれまでに作成したDRPLAトランスジェニックマウス(Q129マウス)を用いて,遺伝子転写障害について検討を行った.DNA chipによる解析を行った結果,down-regulationされている遺伝子として78遺伝子,up-regulationされている遺伝子として16遺伝子を同定した.これらの遺伝子の転写障害の程度は時間依存性に顕著になることを見出した.down-regulationされている遺伝子の中にはcAMP応答遺伝子群が多数含まれており,これまで見出した,伸長ポリグルタミン鎖によるCREB-依存性転写活性化の障害機構を支持するものであった.
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