配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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研究概要 |
本研究では,振動伝達を抑制するように構造物を設計する方法論を確立することを目標とし,全体の質量が一定という制約のもとで最も振動の伝達を抑制する最適構造を求める方法や,振動伝達の抑制と質量の減少2目的を実現するような構造を求める方法を開発した.周波数の異なる振動源が多数存在する場合や,可動部の動作開始時や終了時のように広帯域の周波数成分をもつ過渡的状態の振動抑制のために,振動伝達の指標として,制御理論における周波数応答の評価であるH_∞ノルムを採用した.設計変数は,構造物の部材の断面積や長さである.これら設計変数は,精密機器を積載するなどの構造物の目的に従って,制約された変化しか許されない. 設計変数である部材の断面積や長さは,評価項目の一つである質量と線形の関係にあるが,もう一つの評価項目であるH_∞ノルムとは複雑な非線形関係になっている.そのため,一般に高次元である構造物に対しては,H_∞ノルムの計算時間は非常に長い.そこで,モデルの低次元化が必要となるが,本研究ではモード分解により周波数応答のピークを簡単に求める方法を提案し,大幅な低次元化を実現している. 最適化に関しては,種々の方法を試み,数値的な微分計算を工夫して,勾配法や逐次2次計画法が有用であるという結論に至った.低次元化との組み合わせにより,設計変数が12程度,構造体の振動モードが120程度の最適化問題を30分以内(たとえば,ワークステーション東芝Ultra SPARC II, AS7000,U60使用)で解くことが可能となった. そうして設計された構造物を試作し,その振動伝達特性を実験によって測定することにより,本研究の構造設計法の有効性を確認した.
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