研究課題/領域番号 |
12670986
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294083)
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研究分担者 |
北山 等 大阪大学, 医学系研究科, 助手
池田 弘和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10311755)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 巨核球 / polyploidization / AIM-1 / Res / STAT5 / PI3-K / Ras / 分化 / GATA-1 |
研究概要 |
巨核球の多倍体化がどのような細胞周期制御によって、また、どのような分子によって制御されているのかを検討した。 微小管機能を制御することにより細胞質分裂を進行させることが明らかにされているセリン・スレオニンキナーゼAIM-1の巨核球の多倍体化機構における関与について検討を行った。AIM-1mRNA及びその蛋白は増殖期にある造血細胞ではG2/M期特異的に発現されたが、K562、CMK、F-36Pなどの巨核球系株及び正常巨核球が多倍体化する際にはその発現が持続性に抑制された。また、K562細胞がTPA刺激によって多倍体化する際に、野生型AIM-1を誘導的に発現させると多倍体化が有意に阻害された。さらに、通常の培養条件下で増殖しているK562に誘導的に優性阻害型のAIM-1を発現させると、多倍体化が誘導された。これらの結果から、巨核球の多倍体化にはAIM-1の発現が持続性に低下することが必要かつ十分であることが明らかとなった(J. Cell Biol. 152:275,2001)。 また、BCR/ABL陽性の赤巨核球系細胞株K562に優性阻害型のRas、STAT5、PI3-Kを誘導的に発現させ、K562の腫瘍性増殖・生存の分子機構を検討した。K562にいずれの優性阻害型分子を発現させても、その増殖は30〜50%抑制された。また、これらの優性阻害型分子を2つ同時に発現させた場合、いずれの組み合わせでも、強い増殖抑制と細胞死が誘導された。更に、K562は抗腫瘍剤であるdexamethasone、αIFNに対して耐性を示すが、いずれかの優性阻害型分子を発現させた場合には、これらの薬剤に対して高い感受性を示した。これらの結果からK562の増殖・生存・薬剤耐性にはこれらのシグナル伝達分子すべてが同時に活性化されることが必要であると考えられた(J. Biol. Chem.,in press)。
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