研究概要 |
1.社会問題研究をねらいとする地理カリキュラム開発論を,A.D.ヒルらが開発した『GIGI』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,脱国家的な様相を帯びたグローバル問題を取り上げること,各単元の内容は,グローバルな地域格差と,ナショナル・リージョナル・ローカルの各空間スケールにあらわれる問題の階層性を捉えさせるように組織化されていることが明らかとなった。 2.社会制度研究をねらいとする地理カリキュラム開発論を,C.バースティーグらが開発した『世界文化』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,人間の行動様式の機能と構造・変動を説明する社会学の一般概念を取り上げること,各単元の内容は,人々の行動様式を規定する主意的・構造的な条件と,地域の価値体系を捉えさせるように組織化されていることが明らかとなった。 3.地域構造研究をねらいとする地理カリキュラム開発論を,L.セネシュらが開発した『合衆国の諸地域』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,自然・経済・政治・文化・社会の各視点から設定できる等質地域ならびに機能地域を取り上げること,各単元の内容は,地域の均衡システムと,その不安定要因を取り除く方策を捉えさせるように組織化されていることが明らかとなった。 4.異文化研究をねらいとする地理カリキュラム開発論を,L.キューバンらが開発した『世界の人々』を手がかりに析出した。分析の結果,単元には,近代化の程度と方向性の異なる国家地域を取り上げること,各単元の内容は,地域の文化的な特色(国民生)と,その状況下における人間の意思決定の目的・意味を捉えさせるように組織化されていることが明らかとなった。
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