研究分担者 |
細川 隆司 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60211546)
久保 隆靖 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60240876)
加藤 幸夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10112062)
是竹 克紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50346508)
佐藤 裕二 広島大学, 歯学部, 助教授 (70187251)
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研究概要 |
オッセオインテグレーテッドインプラント治療の成功率の高さから,さらに適応症の拡大と治療期間の短縮が強く望まれている。最近の目覚ましい再生医療の発展は自己幹細胞による自己組織再生誘導とバイオ人工臓器の完成も視野に入るようになり,比較的複雑でない形状の骨組織に関しては,再生が可能になりつつある。そこで,我々はこの再生医学のフロンティア技術を顎骨の量的・質的拡大に用いることを発想し,血液から分離精製した多血小板血漿(Platelet Rich Plasma ; PRP)ならびに自己の骨髄から採取した自己幹細胞を骨芽細胞に分化させた細胞塊などによりインプラント埋入周囲の骨欠損に対する再生治療を用いた骨新生について,ビーグル犬を用いて細胞学的ならびに組織学的,組織形態計測学的に,その検討を行い,以下の結果を得た。すなわち,まず,ビーグル犬における自己幹細胞の培養とPRPの精製法に関する手法を確立した後,動物の下顎無歯顎部に形成した実験的骨欠損,もしくはインプラント周囲骨欠損の骨再生において,自己幹細胞とPRPを用いることで,骨再生を促進できる可能性があることが明らかとなった。さらにその際のスキャフォールドとしては,新規多孔性アパタイトが有力な一つである可能性が示された。一方で,新しい自己幹細胞を用いたインプラント周囲の新しい骨再生法を開発するためには,細胞,スキャフォールド,遮断膜,手術手法など,さらに検討が必要であることも示唆された。
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