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日本外交と核兵器-岸信介政権における核実験反対政策および原子力開発政策

研究課題

研究課題/領域番号 13620084
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 政治学
研究機関一橋大学

研究代表者

田中 孝彦  一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10236599)

研究期間 (年度) 2001 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード日本外交 / 岸信介 / 冷戦 / 核兵器 / 原子力 / 英国 / アメリカ / 戦術核 / 国際関係 / 国際政治史 / イギリス
研究概要

本研究では、科学研究費補助金によって購入および入手が可能になった米国国務省資料に加え、英国外務省および原子力開発庁の機密資料、さらには日本外務省によって部分的にではあるが公開された資料に基づいて、日本政府が核兵器に対しどのような態度をとっていたかについての実証史研究を試みた。本研究で得られた知見は、大きく以下の三点である。
(1)岸政権の核実験反対および原子力関連政策は、岸信介の「独立の完成」というナショナリスティックな政策目的のもとに収斂する形で展開していたのであり、核実験反対政策は国内ナショナリズムの動員と吸収のため、そして、国力増進のために小型の戦術核兵器の保有への道をオープンにするという形で、岸のナショナリズムの中では整合性をもって構想されていたといえる。
(2)さらに岸政権の核実験反対政策は内実を著しく欠いたものであった。米英への実験実施に対する抗議書は、それが手交される際外務省の上級スタッフによっては、それが国内向けのものであるとの説明がつけられ、時には、外務省内には核兵器保有論者が少なくないことを知らしめるような発言が、米英当局側にむけてなされたりした。これらを一つの原因として、この当時の日本政府および市民による反核実験運動や政策は、Genuineなものではないとの認識を米英政府関係者に植え付けることになったといえる。
(3)岸政権においては、日英原子力協定において、民軍両用のCalder Hall型原子炉の日本による購入が決定したが、これは、米国に対する過剰な依存を避けるとともに、プルトニウムを蓄積し将来的に独自の核兵器保有(戦術核)のオプションをオープンにしておくための努力としての意味もあったと考えられる。
このような知見に基づき、2002年7月に国内研究会において研究報告を行った。2003年には英国に国際交流基金の助成によって一年間の在外研究を行い、同年12月にはUniversity of London, Institute of Historican Research, International History Seminarにて口頭報告を行った。

報告書

(3件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 田中孝彦: "幻想としての『帝国』-アメリカによる優位の再編"論座. 4月号. 98-104 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中孝彦: "9.11テロと世界秩序における抑圧の構図"法律時報. 74(6). 32-38 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tanaka Takahiko: "Empire as an Illusion : Restructuring Hegemony and its Fate"Ronza, April. 98-104 (2003)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Tanaka Takahiko: "Beyond the Violation of Humanity : the Structure of Oppression in the World Order and 9.11"Horitsu Jiho, May. vol,74(6). 32-38 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 田中孝彦: "幻想としての『帝国』-アメリカによる優位の再編-"論座. 4月号. 98-105 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中孝彦: "9.11テロと世界秩序における抑圧の構図"法律時報. 74(6). 32-38 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 田中孝彦: "「冷戦史研究の再検討-グローバル・ヒストリーの構築に向けて-」(『変動期における法と国際関係』一橋大学法学部創立50周年記念論文集刊行会編所収)"有斐閣. 570(523-546) (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書

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公開日: 2001-04-01   更新日: 2016-04-21  

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