研究課題/領域番号 |
14208094
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
津本 忠治 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50028619)
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研究分担者 |
茜谷 行雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40222517)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
54,470千円 (直接経費: 41,900千円、間接経費: 12,570千円)
2004年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2003年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2002年度: 33,410千円 (直接経費: 25,700千円、間接経費: 7,710千円)
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キーワード | 神経栄養因子 / GABA / BDNF / GFP / 樹状突起 / シナプス / グルタミン酸受容体 / 神経細胞培養 / 脳 / 培養神経細胞 / 抑制性ニューロン / 脳由来神経栄養因子 / 抑制性伝達物質 / 抑制性シナプス |
研究概要 |
脳由来神経栄養因子(Brain-Derived Neurotrophic Factor, BDNF)は、神経活動とともにシナプス前部より後部へ移行することを以前に見出したが、本研究では、移行したBDNFの作用が、グルタミン酸受容体からなる興奮性シナプス、或いはGABA受容体からなる抑制性シナプスで異なるかどうかを明らかにし、さらにそれぞれのメカニズムの解明を目指した。その結果、以下ような知見を得た。 1)2種の遺伝子改変マウス、Green Fluorescence Protein(GFP)マウス及びBDNFノックアウトマウス、の大脳皮質視覚野から神経細胞の混合分散培養標本を作製し、シナプス前のBDNFの存在がシナプス後細胞の発達に如何なる影響を及ぼすかを調べた。その結果、シナプス前から放出されるBDNFはGABAニューロンの樹伏突起発達を促進することが明らかとなった。 2)外部から投与したBDNFのGABAニューロン樹状突起発達への作用を、興奮性ニューロンへの作用を完全に除外して調べるためGABAニューロンをグリア細胞の微小島の上に一個だけで培養するという孤立神経細胞培養標本を作製した。その結果、BDNFはGABA作動性シナプスの数を増加することが明らかとなった。 3)BDNFがグルタミン酸作動性シナプスの発達に影響を及ぼさないかどうかを調べるため大脳皮質体性感覚野におけるグルタミン酸作動性シナプスの機能発達をBDNFノックアウトマウスと野生型マウスで調べた。その結果、ノックアウトマウスではNMDA受容体のみからなり、AMPA受容体は機能していない所謂silent synapseが多いこと、このsilent synapseは外部からBDNFを投与すると活性化できることが明らかとなった。 4)BDNFはシナプス伝達を増強することが報告されていたが、GABAニューロンに投射する興奮性シナプスにどのような作用を及ぼすかは不明であった。そこでGABAニューロンが緑色蛍光を発するGAD67-GFPノックインマウスの大脳視覚野スライス標本においてBDNF投与の効果を調べた。その結果、BDNFはGABAニューロンにおけるグルタミン酸受容体の機能を急性的に抑えることが明らかとなった。
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