配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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研究概要 |
本研究は,欧州を対象地域とし欧州経済にて大きな課題の一つである税競争について現地調査した.欧州税競争及び調和政策,欧州連合,税率差,クロスボーダー購買者の実態を把握し整理し,調査を踏まえ,より単純でより本質的で政策実行に役立つナッシュ均衡モデルを開発した. 本年度では,モビリティ拡大という視点から欧州各国間税競争,そして,競争の弊害を調整する欧州における経済共同体の政策について分析した.この経済問題をモデル化し,国の位置,大きさ(人口・面積),国境長といった地理的要因が,各国の税率や税収へどのような影響を与えるかを検討した. 1)OECD(経済開発協力機構)からタックスヘブンとして認定されているリヒテンシュタイン公国を訪問し,金融機関の誘致,そしてガソリンスタンドでの越境購買の現状を調査した. 2)欧州の付加価値税(VAT)政策に関して,空間を明示的に取り入れた既存研究に加えて,スペースレスの研究について文献調査を進めた. 3)一次元市場のモデルを二次元市場で展開するために,ポロノイ図をモデルに応用し分析を進めた.また,ネットワーク市場のモデルを定式化し,日本の道州制など地方分権の下での税競争へ応用した. 4)成果の一部を,「付加価値税に関する競争・協調モデル」という章題にて建築学会監修の本「建築最適化への招待」にて発表した. 調査による主たる成果は,経済連合の関係もありリヒテンシュタイン公国とスイスとでは消費税に関する競争は顕著ではないが,オーストリアとではガソリン価格差の差異が大きいことが分かった.モデル化に関する成果として,モビリティ拡大としてネットワーク市場を取り入れ,複数国を経由する通過交通や人口一様分布の仮定の緩和を考慮し,均衡の安定性を議論した.
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