研究課題/領域番号 |
14406032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
太田 茂 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
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研究分担者 |
葛原 茂樹 三重大学, 医学部, 教授 (70111383)
古武 弥一郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20335649)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | パーキンソニズム / サワーソップ / アルカロイド / レティキュリン / 神経毒 / ノルレティキュリン / 国際情報交換 / フィリピン:フランス |
研究概要 |
カリブ諸島を中心として発生したパーキンソニズムは、カリブ諸島をはじめとする熱帯地方で摂取されているサワーソップという果物と関係あるという報告がなされ、果物の成分中に神経毒であるテトラハイドロイソキノリン(TIQ)類が含まれている可能性の指摘からにわかに注目を集めるようになった。本研究の目的は当該地域において果実を採取し、神経毒性発現物質を同定することによって上記疾患の原因解明を行う事である。 カリブ諸島の中フランス領Guadeloupeを中心として果実を大量採取し、アルカロイド成分についてLC-MSによって検出を試みたところ、本植物の葉、果肉、果皮からレティキュリン、ノルレティキュリン、N-メチルコクラウリン、ステファリン、N-アセチルステファリンの存在が明らかとなった。更に各成分の定量を試みたところ、葉にアルカロイド含量が高いことが判明し特にN-メチルコクラウリンは高い集積性を示していた。また産地に関して含有量を比較したところフィリピン産と比較してアルカロイド含量が高いことも明らかとなり、Guadeloupeでの発症を裏付ける結果であった。 次にこれら化合物を神経毒ライブラリーとして用い、カテコールアミン系神経芽細胞種SH-SY5Yに対する神経毒性、ミトコンドリア呼吸鎖Complex Iに対する阻害活性を検討したところ、アルカロイド粗抽出画分に毒性が認められ、その中で特にクロロホルム抽出画分の毒性が強かった。レティキュリン、ノルレティキュリン、N-メチルコクラウリン等は本画分に含まれており、これら化合物が神経毒として作用することが明らかとなった。これらの結果から、サワーソップの摂取はパーキンソニズム発症に関連深いことが強く示唆された。
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