研究分担者 |
安藤 浩伸 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40285466)
波多野 圭紀 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (10326465)
山中 威典 広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (20325202)
久保 隆靖 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (60240876)
赤川 安正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00127599)
是竹 克紀 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50346508)
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研究概要 |
インプラントの適用を飛躍的に拡大する「自己骨髄幹細胞と濃縮血小板血漿を用いるハイブリッド顎堤再生法」を開発することを目指し,まずビーグル犬の下顎無歯顎部に規格された骨欠損を形成,自己の骨髄から採取した幹細胞を移植し「骨再生の促進」が可能か否かを検討し,さらにインプラント周囲骨欠損に対する検討を加えた。その結果,幹細胞のみでは骨再生促進効果は確認できなかったものの,PRP単体もしくは自己幹細胞との併用により骨再生は促進されることが明らかになった。また,インプラント周囲骨欠損に対する実験では,光顕観察において,自家骨を用いた2群,すなわち自家骨群および自家骨+PRP群では,自家骨を用いない血餅群およびPRP群と比較して骨欠損部内に占める骨組織の割合は大きかった。とくに自家骨+PRP群においては,露出させたインプラントのスレッド部はほとんど全例において骨組織により覆われていた。再生骨組織の高さ,および接触骨組織の高さの値は,群間にほとんど差はなかった。また,骨組織の面積においても,PRPの有無による差はほとんどみられなかった。一方,骨接触率は,血餅群,PRP群,自家骨群,自家骨+PRP群でそれぞれ24.1±20.8%,59.7±8.8%,39.2±3.5%,41.1±13.5%であり,PRP群が血餅群と比較して有意に高い値を示した(P<0.05)。以上の結果から,顎骨に形成した骨窩における骨再生実験において自己幹細胞とPRPを用いることで,骨再生を促進できる可能性があることが明らかとなった。しかし,自己幹細胞とPRPを用いたインプラント周囲の新しい骨再生法を開発するためには,細胞,スキャフォールド,手術手法など,さらに検討が必要であることも示唆された。
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