研究分担者 |
日比野 忠史 広島大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (50263736)
渡部 要一 独立行政法人港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 土質研究室長 (00371758)
大坪 政美 九州大学, 大学院農学研究院生産環境科学部門, 教授 (80112316)
加納 誠二 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40280408)
佐々木 康 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90274109)
五明 美智男 東亜建設工業株式会社, 技術研究所・水理環境研究室, 室長
関本 恒浩 五洋建設株式会社, 技術研究所, 開発課長(研究職)
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配分額 *注記 |
29,510千円 (直接経費: 22,700千円、間接経費: 6,810千円)
2006年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2005年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2004年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2003年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
地盤の堆積環境と形成された地盤の工学的性質の関連性に関して新たに以下のことがわかった. (1)自然界で想定される範囲では塩分濃度,pHが粘土の沈降・堆積特性に及ぼす影響は小さい.自然堆積粘土の間隙比はスラリーから再構成した粘土の間隙比よりも高い状態になるが,その形成にはフロックを形成して沈降・堆積する過程が重要である. (2)高温環境で海成粘土を自重圧密すると高い間隙比状態で堆積し,強度も常温で堆積した地盤の1.5〜3倍となる.粘土の力学特性に大きな影響を与えない少量のセメントを添加することで,大阪湾洪積粘土地盤のように間隙比が高い状態で堆積する現象をほぼ再現できた. (3)乾燥履歴を受けた粘土地盤において,乾燥収縮量と粘土の圧密降伏応力,過圧密比との間には定量的な関係がある. (4)早い流速の場で粘土の沈降・圧密試験を行うと,粘土粒子の巻き上げと安定が繰り返され,地盤高さが時間とともに階段状に変化する.地盤表面に流れがある環境で沈降・圧密した地盤は,静水環境で形成された地盤よりも強度が高く,強い構造が形成されている可能性がある. (5)大きな波が作用する場では底泥層は流動化し波動運動を示すが,このときに底泥の圧密が促進されて局所的に含水比が顕著に低下し強度が増加する部分が現れる.波浪下の底泥表層の圧密促進メカニズムについて,亀裂の発生に着目し,底泥表層の破壊形態および亀裂のドレーン効果を検証し解明した. (6)透水性の低い粘土を含有して形成された砂泥質土は,波浪下で土骨格に作用する有効応力がゼロとなる液状化が発生し,土の分級が起こって粗粒化する. (7)細粒分10%を含む砂層上に一次元変動水圧を載荷すると地盤内の細粒分が上昇し表層に抜け出す現象が起こる.水圧が下降する過程において,砂層の表層付近で液状化が起こり,このことが細粒分の上方移動の原因の一つと考えられる.
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