研究課題/領域番号 |
15310025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
広瀬 幸雄 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10117921)
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研究分担者 |
大沼 進 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80301860)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ごみ処理基本計画 / 合意形成 / 市民参加 / ゴミ減量行動 / 参加手続きの公正さ / 環境心理学 / エンパワーメント / ごみ減量行動 / 参加手続の公正さ / ごみ減量制度 / 社会調査 / 手続き的校正 / 参加型会議 |
研究概要 |
3年間の主な研究成果は以下の3つである。 廃棄物処理基本計画などの策定への市民参加の内外の事例についての社会調査を実施した結果、廃棄物計画の社会的受容の規定要因は、計画により実現すると期待される共益や計画により生じる負担などの私益についての効果評価だけでなく、計画が策定される手続きにおいて市民への情報開示や市民の意見表明や議論の機会など市民参加がどれほど盛り込まれているかという参加手続きの公正さ評価も重要であることが明らかとなった。市民参加による計画策定やその手続きを肯定的に評価する市民は、行政への信頼を形成していることが確かめられた。 さらに、ごみ減量計画への市民参加を促進阻害する要因を解明するために,名古屋市のごみ減量政策、循環型社会への合意形成会議の社会実験を対象とした社会調査を実施した結果、ボランティアや一般市民が環境計画の策定に積極的に参加するか否かの規定因は、計画によって実現する共益の期待でなく、参加によって獲得できると期待できるエンパワーメント(能力や知識を獲得できるという有能感、信頼しうる友人ネットワークを形成できるという連帯感、社会を変えうるという有効感から構成される)であることが明らかになった。 次に、産業廃棄物ゲームと仮想世界ゲームでの環境問題解決への合意形成の模擬体験を通じて、現実のごみ減量や環境保全の合意形成の必要性を認識し、そのための協働の取組の動機付けを高めうるのかを、参加者へのアンケート調査によって検討した結果、産業廃棄物ゲームの参加者は問題解決には他者との協働による取組が不可欠であるとの認識を、自分のゲーム体験を何度も振り返り、熟慮することによって深めていることが、見出された。また、仮想世界ゲームでは生産によって生じる環境汚染問題を解決するという共益を実現するための協働的取組においては、コミュニティへの帰属意識や他者への信頼が重要であることを、ゲーム参加者は認識していることが確かめられた。
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