研究課題/領域番号 |
15510002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
竹田 一彦 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助教授 (00236465)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | カルボニル化合 / 光化学過程 / 天然水 / オンライン濃縮HPLC / ミネラルウォーター / カルボニル化合物 |
研究概要 |
研究の目的は河川水と海水中の低分子カルボニル化合物の定量と動態の解明とその光化学的生成機構の解明である。まずDNPH誘導体化法とオンライン濃縮カラムを用いた低分子カルボニル化合物の高感度定量システムを開発した。試料注入部にC18濃縮カラムを装着し、試料注入量を100〜5000μLに増加させたところ、ピーク面積は試料注入量に比例し増加した。一方、試料注入量の増加とともに未反応DNPHのピークが大きくなり、ホルムアルデヒドのピークと干渉し定量の妨げとなった。そこで試料注入後に15%アセトニトリル水溶液で濃縮カラムを洗浄することで未反応DNPHのピークを除去することに成功した。このシステムによってホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなどの低分子カルボニル化合物において、検出限界約0.1nM程度を達成することができた。 つぎに、広島県西部の太田川や大学内のため池、瀬戸内海西部の広島湾で採取した天然水中の低分子カルボニル化合物を測定した。それらの結果を総合的に考察し、水圏での低分子カルボニル化合物の濃度には、1)水相での低分子カルボニル化合物の光化学的生成、2)大気との交換、3)生物による分解代謝、が関わっていると考え、これらについて個別に評価考察した。その結果、ホルムアルデヒドの水圏での主な起源は大気からのとけ込みと水相での光化学的生成で、生物的分解が中程度であるため、比較的高い濃度で検出されたのではないかと推測された。一方、アセトアルデヒドの起源は主に水相での光化学的生成で、生物的分解が著しく速いために、水相での濃度が他のカルボニル化合物に比べ低いことがわかった。また、プロピオンアルデヒドは光化学的生成速度が小さい上に生物的分解が早いために、天然水中ではほとんど検出されないこと、逆に、グリオキサールは光化学的生成速度が小さいが生物的分解が著しく遅いために、天然水中での濃度はホルムアルデヒドに続いて高いことがわかった。
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