研究課題/領域番号 |
15730296
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉村 和美 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 助教授 (20249288)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 青年 / 文化 / 相互協調性 / 親子関係 / 親密 / 従属 / 甘え / 葛藤解決 / アイデンティティ / 親密さ / 日米比較 |
研究概要 |
本研究の目的は、アイデンティティ形成の途上に見られる青年-両親間の葛藤解決のしかたと、その背景にどのような日本的な親子関係の価値観があるのかを、相互協調性という視点を用いて明らかにすることである。特に、日本の青少年の特徴を浮き彫りにするために、同じように先進国でありながら、相互独立性という異なる価値を重んずる米国の青年と比較検討する。 今年度の成果は以下の通りであった。 1.葛藤解決のしかたを予測するために、日本的な親子関係の価値観を測定する「親子関係の親密さ」尺度を開発してきたが、昨年度に引き続き本尺度を洗練させる作業を行い、完了した。 (1)日本の中学生〜大学生約1000名を対象に実施したデータを分析した。どの学校段階でも親密、従属、甘えの3因子が得られ、改訂版尺度が完成した。尺度の信頼性・妥当性も確認された。 (2)3因子はいずれも親子の強い情緒的結びつきを基盤とするが、その方向性に違いがある。親密は親子の相互的な一体化、従属は子から親への一体化、甘えは親から子への一体化を意味していた。 (3)本尺度の新しい点は、実証研究の少ない甘え因子を抽出したこと、従属因子に、親からの強制のみならず、子が親の意向を主体的に察して従う側面が含まれていたことである。 2.「親子関係の親密さ」尺度の英語版を作成し、日米の青少年を対象とした本調査を行う準備を進めた。これは現在も進行中である。 (1)尺度を英訳し、バックトランスレーション等により翻訳等価性を確認した。 (2)この英語版尺度を、米国カリフォルニア州とアイオワ州のヨーロッパ系アメリカ人大学生約300名に実施し、米国青年への使用可能性を検討中である。 今後は、日米の青少年を比較検討する本調査を実施し、"相互協調性を重んずる日本文化における自立"という一見矛盾する現象の特質を明らかにする予定である。
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