研究課題/領域番号 |
16402009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
応用経済学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西村 知 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (20253388)
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研究分担者 |
川田 牧人 中京大学, 社会学部, 教授 (30260110)
美甘 信吾 信州大学, 経済学部, 講師 (90377614)
関 恒樹 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (30346530)
川中 豪 アジア経済研究所, 地域研究センター, 副主任研究員
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | フィリピン地方社会 / グローバル / 制度 / 海外出稼ぎ・移住 / 宗教コミュニティ / ビジネスと政治 / 農村と制度 / 市民社会的共同性 / フィリピン / 地方社会 / 地方 / 知識 / エリート / 移動 |
研究概要 |
本研究のテーマはグローバル化が進む状況下でフィリピン地方社会が構築される動態を経済学・政治学・文化人類学の学際的研究で明らかにすることである。グローバリゼーションは、経済における新自由主義やそれを推し進める国際政治、欧米文化の浸透という形で経済、政治、文化の均質化を推し進めているが、一方で、国の枠組みでは捉えることのできない任意の社会集団を生み出し、均質化に抵抗する反グローバリゼーション、オルター・グローバリゼーションの動きをもたらしている。フィリピン社会も、グローバリゼーションによる欧米主導の「近代化」と「脱近代化」の影響を同時に受けつつ再構築されている。私たちはこの問題に、「共同性」というキーワードでアプローチすることを試みる。「共同性」は、グローバル時代においては均質的近代化過程で再編されるものに加えてナショナルな枠組みを超え、経済、政治、社会の領域を横断して形成されていくものがある。この様々な「共同性」の相互作用の結果として社会経済構造が構築されるのである。 西村は、グローバルな農民運動やその影響を受けたメディアの存在との「共同性」が農業労働者の社会経済状態の変化をもたらす可能性があることを示した。美甘は、ビジネス・コミュニティと市民社会グループが連携する可能性は常に開かれていることを示す一方で、課題も多いことを明らかにした。川田はセブ市の民衆宗教をとりあげ、それを単なるローカルでミクロな宗教実践とするのではなく、フィリピン・カトリシズムの国家レベル、政治社会レベル、市民社会レベルでの公共宗教の役割を体現する場として考察することが、人びとが「よりよく生きる」ための営みを考える手だてとなるとの指摘をおこなった。関は、国内階層の分断化、社会関係の断片化という状況を指摘し、そのような状況にありつつも、新たな共同性の生成に結び付く人々のネットワーク構築の生活実践を論じた。
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