研究課題/領域番号 |
16590566
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岩切 大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (10307853)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | EBウイルス / 胃がん / 上咽頭がん / EBER / IGF-1 / RIG-I / 上咽頭癌 / 胃癌 |
研究概要 |
申請者らはこれまで、EBウイルスが胃上皮細胞に感染すると、IGF-1の発現が誘導されそのオートクライン作用により感染細胞の増殖が促進されるということ、またIGF-1の発現誘導の責任遺伝子はウイルスの小RNAであるEBERであることを明らかにしている。さらに本研究で、上咽頭上皮細胞にEBウイルスが感染すると、EBERによるIGF-1の発現誘導およびオートクライン作用による感染細胞の増殖促進がおこるということを明らかにした。また上咽頭癌組織検体を用いた検討では、調べた組織すべてにおいてIGF-1の高い発現を認めた。以上の結果は、EBERが胃上皮、上咽頭上皮双方で、発がんにおいて重要な役割を果たしているということを強く示唆するものである。また本研究ではさらにEBERによるIGF-1の発現誘導がいかにしておこるかについて解析を行っている。その結果、EBERが細胞内において、ウイルス由来の2本鎖RNAの認識分子として機能することで知られるRetinoic acid-inducible gene(RIG)-Iと相互作用し細胞内シグナル伝達を惹起するということを見いだした(投稿中)。RIG-IはRNA helicase domainおよびCaspase activation and recruit domain(CARD)をもち、2本鎖RNAと結合することによりシグナル伝達を惹起、IRF-3やNF-κBの活性化を介してインターフェロンなどのサイトカイン産生を誘導することが明らかにされている。EBウイルス感染細胞では、EBERとRIG-Iの相互作用によりNF-κB経路が活性化され、結果、増殖因子産生が誘導され感染細胞の増殖の促進がおこっているということが推測され、現在さらに詳細な解析を進めている。
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