研究課題/領域番号 |
17021027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
姜 英男 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50177755)
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研究分担者 |
小林 真之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (00300830)
齋藤 充 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50347770)
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研究期間 (年度) |
2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 機能単位 / 脱同期化 / GABA_A / 脱感作 / バレル野 / 味覚野 / 膜電位感受性色素 |
研究概要 |
GABA_A及びGABA_B作用による抑制が、錐体細胞活動の同期化或いは脱同期化に、どのように関与するかを明らかにすることが大脳皮質のカラム機能を明らかにする上で極めて重要である。そうしたカラム機能は、分子-細胞-回路-システムの各レベルからの多面的アプローチにより解明可能であると考えられる。そこで、GABA_A受容体分子を過剰発現する遺伝子変異マウスを用い、カラム構造が明確なバレル野と不明確な味覚野という二つの異なるシステムにおいて、まずGABA_A作用の解明に取り組んだ。ホールセルパッチクランプ記録法及び光学的膜電位測定法を用いて実験を行ない、以下の成果を得た。 バレル野では、II/III層錐体細胞が抑制性ニューロンを介し隣接カラムの錐体細胞に側方抑制を与えると同時に、同一カラムのV/VI層錐体細胞も抑制している可能性が示された。また、II/III層錐体細胞の活動がカラム間で同期化することによりV/VI層錐体細胞が活性化されるようなカラム局所回路が形成されている可能性が示唆された。 一方、島皮質では、第IV層からV/VI層への直接投射が多く存在することが示された。また、側方抑制は顕著でなくカラム間相互作用は小さいが、カラム内浅層-深層間での相互作用に抑制系が関与し、そうした相互作用の結果出力が決定される局所回路が形成されている可能性が示された。この様に、領野特異的高次機能の発現は、異なったカラム局所回路の働きにより実現されている可能性が示唆された。 GABA_A受容体分子を過剰発現する遺伝子変異マウスのバレル野おいては、野生型に比してGABA_A抑制系が強化されているため、興奮伝播範囲がよりシャープで、より早い情報処理が行なわれることを見いだした。また、ホールセルパッチクランプ記録からは、GABA_A受容体チャネルの脱感作が強化されている可能性が示唆された。
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