研究課題/領域番号 |
17520520
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
野島 永 広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (80379908)
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研究分担者 |
古瀬 清秀 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70136018)
竹広 文明 広島大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60252904)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,630千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 考古学 / 鉄器 / 鋳造 / 実年代 / 初期鉄器時代 / 弥生時代 / 鉄 / 鋳造鉄器 / 流通 / 首長制社会 / 鋳造鉄斧 |
研究概要 |
1. 弥生時代前・中期鉄器の集成 弥生時代前期末葉あるいは中期前葉に属すると考えられる遺構から出土した鉄器資料の形態および出土状況を再確認した。これらの鉄器資料や共伴資料の実測および写真撮影を行い、その集成を完了した。総数120点となった。これらの多くは鍛造鉄器として報告されていたものも多く、鋳造鉄器の破片と認識されていないものも多かった。鍛造鉄器としては、鉄〓が数点確認できたが、これらは戦国時代晩期の舶載品の可能性も否めないものであることが推測できた。このような結果から、弥生時代の鉄器導入は前期末葉、あるいは中期初頭であり、その多くが戦国時代晩期の鋳造鉄器に由来することを確認した。弥生時代前期末葉の実年代は紀元前3世紀まで遡ることはまず問違いないものと結論することができた。 2. 鋳造実験・CTスキャンの実施 中国起源の鋳造鉄器の破片を利用しているものについては、X線写真・CTスキャンによって、微細な形態の確認を行なった。鋳造鉄器破片の多くは鋳肌の表面近くに0.5mm以下の気泡(鬆)・空隙があるものが多かったことから、これらの気泡・空隙がどのような場合に出現するのか、鋳造原料・鋳型の材料・冷却期間など鋳造条件をかえながら、鋳物鉄板を実験鋳造を行なった。これらの鋳造鉄板のX線写真・CTスキャンをおこない、気泡・空隙の出現するメカニズムを推定した。 3. 首長制社会における金属使用の原初的段階の研究 首長制社会において、金属が導入された際にどのような社会的変容が起こったのか、先行研究成果の確認と民族誌の収集を行なった。九州北部と日本海沿岸域の鉄器文化を、それぞれ首長制社会における消費財財政(Staple Finance)と威信財財政(Wealth Finance)の特徴をもつものとして見ることができた。
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