研究課題/領域番号 |
17590737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石田 隆史 広島大学, 病院, 講師 (40346482)
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研究分担者 |
石田 万里 広島大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 講師 (30359898)
田代 聡 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
福永 理己郎 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助教授 (40189965)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 高血圧 / シグナル伝達 / 酸化ストレス / Mnk / 血管平滑筋 |
研究概要 |
(1)酸化ストレスによってMnk1/2は強く活性化された。酸化ストレス(H_2O_2)刺激によるMnkおよびeIF4Eの活性化は低分子量G蛋白質の不活性型変異体(DN)のうち、DN-Rasのみにより抑制された。AngIIによる活性化と異なり、酸化ストレスによるMnkの活性化にはRas-MEK-ERKの経路のみならずp38MAPキナーゼが重要であることが明らかとなった。ASK1はROSシグナリングにおいて重要とされており、またP38MAPキナrゼの上流分子の1つでもあるが、DN-ASK1の発現によっても酸化ストレスによるMnKの活性化もp38MAPキナーゼの活性化も影響を受けなかった。 (2)培養血管平滑筋細胞に恒常的に活性の高いMnk1の変異体、あるいはベクターのみを遺伝子導入した細胞より抽出した核分画を二次元電気泳動で分離し、リン酸化蛋白の増減を観察した。活性型Mnk1を導入した細胞においてリン酸化の増加しているスポットが数個確認された。この結果はMnk1の未知の基質が核内に存在することを示唆している。 (3)酸化ストレスによりMnkが核内に移行し小斑i状に局在していた。興味深いことにMnkの中でもリン酸化すなわち活性化されたMnkが主として核内に移行する傾向が見られた。さらに核内の高次構造体との局在を比較したところくMnkはPML bodyと主に局在が一致していた。 (4)培養血管平滑筋細胞にMnk1およびMnk2に対するsiRNAを導入したところ転写因子Ets-1の蛋白発現が著名に減少した。これはEts1のmRNAレベルとは無関係であった。Mnk1/2KOマウスから分離培養じた血管平滑筋細胞においても同様の結果が得られた。DN-Mnk1あるいはMnk1/2に対するsiRNAによりAngiotensinIIによる細胞外マトリックスOsteopontinの転写活性の上昇が著名に抑制された。 これらの知見はMnkが翻訳レベルである種の分子の発現を調節していることを示唆しており、Mnkが動脈硬化や心不全などの病的心血管リモデリングに深く関与している可能性がある。
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