研究課題/領域番号 |
18019024
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
姜 英男 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50177755)
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研究分担者 |
齋藤 充 (斎藤 充) 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50347770)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2007年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2006年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 機能カラム / バレル野 / 側方抑制 / GABA / 錐体細胞 / PRIP / 同期化 |
研究概要 |
大脳皮質感覚野バレル領野及び島皮質における機能カラム間の同期化及び脱同期化にGABA_A抑制系が如何に関与するかを明らかにするため、膜電位感受性色素を負荷したマウス或いはラット大脳皮質スライス標本において光学的膜電位測定を行ない、興奮伝播の時空間的パタンを解析した。 バレル野では、IV層刺激によって生じた興奮は、II/III層へと伝播し、そこで水平方向へと広がり隣接カラムへ及んだが、これに対して島皮質では、IV層からII/III層及びV/VI層へと垂直に両方向へ広がり、カラム状の興奮パタンを示した。GABA_A受容体拮抗薬のbicuculline或いはGABA_A作動性Cl^-チャネル遮断薬picrotoxinを投与すると、バレル野では、II/III層における興奮め水平伝播が顕著に拡大し、それによりV/VI層にも興奮が生じたが、一方島皮質では、カラム全体の興奮強度が顕著に上昇した。この様なバレル野における水平方向の興奮伝播、及び、島皮質における垂直方向の興奮伝播に見られる同期化したニューロン活動パタンは、IV層以外の層を刺激したり、刺激強度を変化させたりしても、その特徴は一貫していた。 従って、島皮質においても機能カラムが存在し、そこでは浅層-深層間のカラム内情報伝達が顕著であること、GABA_A作用はカラム内情報伝達の抑制に関与していることが明らかとなった。これに対しバレル皮質では、GABA_A作用はカラム間側方抑制に関与していた。これらの結果から、大脳皮質の各領野における機能カラム情報処理機構は、普遍的なものではないことが示唆された。
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