研究課題/領域番号 |
18027010
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福岡 宏 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00284175)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高圧合成 / スクッテルダイト / ゲルマニウム / 超伝導 / 重い電子系 |
研究概要 |
希土類元素(Ln)をゲストに持つ充填スクッテルダイト化合物には、典型元素、陽性金属、遷移金属によって占められる三つのサイトが存在するが、これらのサイトを占める元素の組み合わせを様々に変えることによって多彩な物理的性質が発現する。そこで本研究では、骨格電子数のバランスを意識しながら、族番号が異なる多彩な元素による置換型充填スクッテルダイトの合成を目的に掲げ、特に最終年度である今年度は、(1)骨格を形成する元素を、族が異なる元素で置換した一連の化合物群の合成。(2)ゲストサイトを、これまでの陽性金属でなく陰性元素に変えたまったく新しい充填スクッテルダイトの創生、という異なったアプローチによって、新規充填スクッテルダイトの合成研究を試みた。そして、I、Rh(またはCo)、Sbを10万気圧下で反応させることによって、骨格の二十面体ケージにヨウ素が入った初めてのスクッテルダィト化合物、Irh_4Sb_<l2>,Ico_4Sb_<12>の合成に成功し、目標を達成することができた。Rh系では単相合成にも成功し、リートベルト解析からケージ内にヨウ素が入っていることを確認した。興味深いことに本化合物は電気伝導性を有し、また磁化率測定では磁気モーメントがほとんどない非磁性的振る舞いが観測された。一方Co系では、まだ単相試料が得られておらず合成条件の更なる検討が必要である。元素分析の結果、Rh、Co両系ともヨウ素サイトに欠陥の存在が示唆されたため、これらは不定比化合物であろうと考えられる。また、骨格置換型スクッテルダイトの研究では、初年度から続けてきたLn-Rh-Sb-Ge系、Ln-Co-Sb-Ge系、並びにLn-Rh-P-Ge系での新物質探索を完了し、置換の成否が骨格電子数と希土類元素のイオン半径に密接に関係していること、物性の評価では遷移金属サイトの欠陥も考慮すべきであることなどの知見を得ることが出来た。
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