配分額 *注記 |
15,120千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 1,920千円)
2008年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2007年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2006年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本年度は,初年度および第2年度の研究成果をさらに発展させると同時に3年間の研究の取りまとめを行った。実験に関しては,前年度までに確立した測定システムを利用して,広範囲の高振動励起分子の単一振動準位検出を行い,他分子との衝突による素過程を速度論的に追跡した。理論計算に関しては,高振動励起状態の振動緩和速度の理論的算出を目的として以下のとおり実施した。 (1)オゾン(O_3)の紫外光解離(266nm)により生成するO_2(X^3Σ^-_g)の広範囲振動励起準位v=6-12を,B^3Σ^-_u-X^3Σ^-_g遷移にもとづくれレーザ誘起蛍光(LIF)を用いて検出し,CF_4との衝突によるエネルギー移動過程の速度定数を決定した。振動励起O^2からCF_4へのエネルギー移動速度は,無極性分子同士であるにもかかわらず,過去に報告されたすべての衝突分子より高速であることを明らかにした。この成果は,J.Phys Chem.A誌への投稿を依頼され,特集号“A Festschrift for Stephen R.Leone"に掲載された。 (2)ハイパフォーマンス・コンピュータによりN_2-O_2間のポテンシャル面を作成し,エネルギー緩和速度を評価するために開発したコードを用いて緩和過程の計算に成功した。また,振動緩和速度の理論的算出手法の開発を同時に行い計算手法を確立した。 以上の本年度の成果と過去2年間の成果をとりまとめ,多振動準位の衝突素過程の速度定数決定法に加えて,振動緩和機構の詳細解明および緩和過程と反応過程の分岐比決定の汎用手法を確立し,理論計算による検証を行った。
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