研究課題/領域番号 |
19652018
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
根岸 泰子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (20180698)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2009年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 近現代日本文学 / 女性文学 / 昭和戦中期 / 戦争協力 / 宇野千代 / 昭和戦中期文学 / 堤千代 / 真杉静枝 |
研究概要 |
平成21年度は、本研究の最終年度として、前年度から継続する資料収集((1))、収集した資料および文学テクストの解析((2))および成果発表((3))を行うとともに、当該の昭和戦中期の文学テクスト全般の新たな角度からの読解につながる視点を得ている。具体的には、 (1)大東亜戦争下の国民の心性調査および関連研究資料の収集・参照 ・女性文学テクスト(婦人雑誌・総合雑誌・単行本)収集 ・戦時下の国民生活状況および大東亜戦争関連(戦況や国際情勢、宣伝等をめぐる)資料収集 (2)戦時下の国民心性および戦時下の女性テクストの分析 ・(1)で収集した文献から、戦時下の国民の心性を階層別に析出するとともに、R.M.マッキーバーの国家論によって、それらの心性の必然性をタイプ別に分類した。 ・女性テクストに見られる言論弾圧下のレトリックを析出し、従来の<反戦/戦争協力>という二分法におさまりきらない部分を前述の国家論によって解釈した。 (3)論文発表 11に示す3論文により、言論弾圧下のレトリックを内包した女性および男性テクストの解析を行った。 また本研究により、戦時下の国民心性については予測したよりも階層的な差異が大きくこれをテクスト解釈に導入する必要性があること、また国際情勢へのアクセスの度合いや作家個人への軍部の働きかけ等の実態の個々の検証の必要性、テクスト調査範囲の拡大(大衆文学におけるジェンダー偏差)等々を新たな課題として得た。これについてはひきつづき調査にあたる予定である。
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