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フェロセン系分子からなる新しいイオン液体の設計と微視的評価

研究課題

研究課題/領域番号 19655053
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 機能物質化学
研究機関神戸大学

研究代表者

持田 智行  神戸大学, 理学研究科, 教授 (30280580)

研究分担者 高橋 正  東邦大学, 理学部, 教授 (30171523)
桑原 大介  電気通信大学, 機器分析センター, 准教授 (50270468)
研究期間 (年度) 2007 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2008年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2007年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワードフェロセン / イオン液体 / 相転移 / 磁性 / 結晶構造
研究概要

今年度は、前年度合成法を開発したフェロセニウム系イオン液体について、多様な誘導体を合成し、それらの粘度、熱物性、磁気特性の評価を進めた。
1置換もしくは2置換フェロセニウムカチオンとフッ素系アニオンを組み合わせた塩は、そのほとんどが融点100℃以下のイオン液体となった。これらの液体はヘキサンなどの非極性溶媒とは相溶しないが、極性有機溶媒とは良好な相溶性を示した。水に対する溶解性は置換基によって変化した。
熱分析によって、系の特徴を明らかにした。第1に、融点のカチオン依存性を検討した。カチオンのアルキル基を伸長すると、融点の急激な低下がみられた。分枝アルキル体では、直鎖体より数十度融点が増加した。第2に、TFSI系アニオンの炭素鎖伸長の効果を検討した。この場合、融点はほとんど変化せず、粘度のみが急激に増加した。すなわちカチオンの置換基は融点、アニオンの置換基は粘度に主たる影響を与えることが明らかとなった。第3に、粘度と相挙動の相関について検討を加えた。これらの液体には、(i)冷却過程で結晶化するもの、(ii)ガラス化するもの、(iii)条件によって結晶化・ガラス化を起こすもの、の三種が存在し、低粘度の塩は結晶化、高粘度の塩はガラス化を起こすことがわかった。
メスバウアー分光によって、フェロセニウム塩の結晶およびガラス状態における格子力学的検討を行い、分子運動性の差を定量的に評価した。また固体NMR分光により、相変化に伴うスペクトル変化を検証した。
これらの磁気物性についても検討を加えた。磁化率測定の結果、フェロセニウム系イオン液体は常磁性流体であることがわかった。特に強磁場中では、結晶化・融解に伴って、ヒステリシスを伴う顕著な磁化率の変化が認められた。

報告書

(2件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (8件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] フェロセン系電荷移動塩の合成と物性 : 分子結晶からイオン液体まで2009

    • 著者名/発表者名
      持田 智行
    • 雑誌名

      溶融塩および高温化学 52

      ページ: 29-34

    • NAID

      120005300041

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] フェロセン系イオン液体 : 分子デザインと基本物性2009

    • 著者名/発表者名
      稲垣尭, 持田智行
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学埋工学部(船橋)
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] フェロセン系イオン液体 : オクタメチル系物質の合成と性質2009

    • 著者名/発表者名
      舟浴佑典, 持田智行
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部(船橋)
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] フェロセン系イオン液体 : モノアレーン系物質の合成と性質2009

    • 著者名/発表者名
      稲垣尭, 持田智行
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部(船橋)
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] メタロセン系磁性イオン液体の合成と物性2008

    • 著者名/発表者名
      稲垣尭, 持田智行, 金谷親英, 齊藤敏明
    • 学会等名
      第5S回錯体化学討論会
    • 発表場所
      金沢大学
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] フェロセン系イオン液体(1) : 合成と性質2008

    • 著者名/発表者名
      稲垣尭, 持田智行, 中村英章, 桑原大介
    • 学会等名
      第2回分子科学討論会
    • 発表場所
      福岡
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] フエロセン系イオン液体(2) : 電子物性2008

    • 著者名/発表者名
      持田智行, 稲垣尭, 高橋正, 金谷親英, 齊藤敏明
    • 学会等名
      第2回分子科学討論会
    • 発表場所
      福岡
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] フェロセン系イオン液体の分子設計2008

    • 著者名/発表者名
      持田智行, 稲垣尭
    • 学会等名
      第17回有機結晶シムホジウム
    • 発表場所
      大阪大学
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] アゾール置換フェロセン誘導体のN-アルキル塩の合成と性質2008

    • 著者名/発表者名
      清水文子、赤坂隆裕、持田智行
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
  • [産業財産権] イオン液体2008

    • 発明者名
      持田智行稲垣尭
    • 権利者名
      神戸大学
    • 産業財産権番号
      2008-178210
    • 出願年月日
      2008-07-08
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2007-04-01   更新日: 2016-04-21  

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