配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2011年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2010年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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研究概要 |
我々は,超臨界流体中で固体のパルスレーザアブレーションを行い,ナノ構造体を生成する手法を世界で初めて開発した。その特徴は,1)生成時間は数分,2)任意の物質に適用可,3)異なる機能のナノ構造体を選択的に創製,である。この手法を,シリコン(Si)と金に適用し,以下2つの代表的成果が得られている。i)バルクで微弱な赤外発光するSiであるが,4桁大きな量子効率で可視・紫外発光するSiナノ粒子が生成した。ii)直径30nmのナノ球からなる金ナノネックレス,直径800nmの巨大金ナノ球が生成した。これらの金ナノ構造体を用い有機分子の表面増強ラマン散乱(SERS)を測定した結果,SERS増強度は10^9であった。 本研究では,未踏領域が多く大きなポテンシャルを秘めた超臨界流体中でのレーザアブレーションを複数の系へ展開し,ナノ構造体の生成研究を包括的に行う。今年度は,ターゲットの固体材料,照射レーザの条件(強度,照射時間)を系統的に変えナノ構造体を生成した。また,定常状態での超臨界流体に限らず,過渡超臨界流体でも研究を行った。Siの実験では,新たに溶液中に展開し簡便に発光性量子ドットの生成する条件を研究した。これは,局所過渡超臨界状態での物質生成に相当する。また,レーザ照射時間とともに,生成量が増加することが明らかとなった。その他,銀とアルミニウムのレーザアブレーションを行った。生成したそれぞれのナノ粒子を用い,蛍光の発光強度増強を検証し,電場増強効果による発光強度の増加が観測された。
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