研究課題/領域番号 |
22520335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学(英文学を除く)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
丸川 誠司 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (70339612)
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研究分担者 |
鈴木 雅雄 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20251332)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2010年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 仏文学 / 美学 / ヨーロッパ語系文学 |
研究概要 |
まず、「リズム」という概念をそのギリシャ語源に遡り、いかにそれが(ある特殊な)「形」の概念に結びついているか、及びそれが人間の知覚と想像の条件、その環境形成にどのようにかかわっているかを、人類学的、美学的、詩学的、及び哲学的視座から考察した論考「リズムと形を巡るノート」を記した。この論考の中で、リズムに大きな関心を示した近代詩人(ヴァレリー、クローデルなど)が言及されているが、詩的言語の具体的なリズム論の問題は詩人二人を巡る論文で個別に扱っている。一人目のM.ドゥギーについては2011年3月の国際シンポジウムで発表を行い、その内容を発展させた論文が今後"Pensee de rythme-figure"という題で論叢に収録されフランスで出版される予定であり、次のP. クローデルについては"Cent phrases pour l'eventail, encore(rythme et figure)"という論文を海外の専門誌に投稿し、現在審査結果を待機中である。ついで、造形芸術における「リズム」の概念については、前述の論文の続編となる「リズムと形を巡るノート(2)」で、主にパウル・クレーの「リズム」の構想を巡り、同時代のドローネ等の画家のリズムの懸念等と比較しながら、空間において持ちうるリズムの表現の問題を検討した。これらの論文を通じ、漠然と音楽ならびに時間的要素に結びつけられるいわゆる「リズム」の概念が、いかに空間的なイメージを伴っているか、そしていかに機械的な定期性と異なる儚い「均衡」の形態として詩的言語及び造形の世界で構想されてきたかを、いくつかの具体例の検証とともに明らかにしたと言える。概論的な論文1つ、及び詩的言語に関する論文2つ(現時点で未刊行)、美術にかかわるもの1つが準備できたので、今後は可能なら音楽関係のものも準備してみたいと考えている。
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