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感覚神経MAPK制御のリアルタイムな可視化による線虫の環境応答行動の研究

公募研究

研究領域神経系の動作原理を明らかにするためのシステム分子行動学
研究課題/領域番号 23115706
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京大学

研究代表者

冨田 太一郎  東京大学, 医科学研究所, 助教 (70396886)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2013-03-31
研究課題ステータス 完了 (2012年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2012年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2011年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワード線虫 / イメージング / FRET / システムバイオロジー / カルシウムシグナル / MAPK / 塩応答
研究実績の概要

環境変化の情報が実際に生きた動物体内でどのような形で伝達されて、さらにど
のような情報処理が行われるのかはほとんど理解が進んでいない。生体内で生じる微弱な反応を単に眺めるだけでは、生きた動物体内で生じている情報処理のメカニズムを理解することは難しい。そこで線虫の塩応答の感覚神経ASERをモデルに、システム工学の手法とin vivoイメージングの手法とを組み合わせたアプローチによって、代表的な環境応答シグナル分子のMAPキナーゼ(MAPK)の制御機構の解明を目指した。
具体的には、動物個体にパルス状の塩濃度変化を一定の周波数で与えながら、ASER神経のMAPキナーゼ活性をFRET法でリアルタイムにモニターし、環境変化からMAPKに至る過程でどのような情報処理が行われるのかを解析した。その結果、効率よくMAPK活性化を生じさせるためには、環境からの刺激が多すぎても少なすぎてもだめで、環境変化が一定の頻度で、かつ一定の持続時間で繰り返し生じる場合に限られることが明らかになった。さらに、イメージング実験と変異体解析の結果から、細胞内カルシウムがMAPK活性化に至る情報のフィルターとして機能するメカニズムを見いだした。そこで数理モデルを用いて、細胞内でどのような情報処理をうけると実際に観察されたMAPKの挙動に至るかを計算機上でシミュレーション解析を行った。その結果、比較的単純な積分器によってカルシウムシグナルの刺激応答特性が複雑なMAPKの刺激応答特性に変換されていることを見いだした。
がんや異常免疫などの病態解明や記憶学習の鍵としてMAPK制御の理解は重要であるが、従来の遺伝学や生化学に加えて、新規の光学的なアプローチから生きた動物の単一細胞の中で生じている複雑な情報処理システムを解き明かすことに成功した点に意義がある。今後例えば疾患モデル動物にも適用ができれば非常に有効と思われる。

現在までの達成度 (段落)

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2012 実績報告書
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The temporal pattern of stimulation determines the extent and duration of MAPK activation in a Caenorhabditis elegans sensory neuron2012

    • 著者名/発表者名
      Tomida, T., Oda, S., Takekawa, M., Iino, Y., and Saito, H
    • 雑誌名

      Sci Signal

      巻: 5 号: 246 ページ: 76-76

    • DOI

      10.1126/scisignal.2002983

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] キナーゼ活性化のin vivoイメージングとシステムエンジニアリング的アプローチによる線虫感覚神経MAPK制御機構の解析2012

    • 著者名/発表者名
      冨田太一郎、斎藤春雄(冨田太一郎)
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2012-12-11
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] in vivo MAPKリン酸化シグナルの可視化による線虫の感覚応答解析2011

    • 著者名/発表者名
      冨田太一郎、斎藤春雄
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-12-13
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] 線虫の環境応答行動における情報伝達の可視化~MAPKリン酸化シグナルのライブイメージング2011

    • 著者名/発表者名
      冨田太一郎、斎藤春雄
    • 学会等名
      第82回日本動物学会年会
    • 発表場所
      旭川(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-21
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [備考] 東京大学医科学研究所 最新研究成果 生きた動物を用いて細胞内情報伝達を可視化しその動態を解明

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/research/papers/post_45.php

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2011-04-06   更新日: 2018-03-28  

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