先天性視覚障害児童のメンタルローテーションと移動行動のつまずき分析
Project/Area Number |
23911013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
特別支援教育
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
丹所 忍 筑波大学, 附属視覚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 先天性視覚障害児童 / メンタルローテーション / 空間参照枠 |
Research Abstract |
目的:先天性視覚障害児の移動行動とメンタルローテーション能力の発達との関連性について分析する。 方法:先天性視覚障害児童を対象として、小規模空間でのメンタルローテーションの様子及び食堂等の大規模空間におけるメンタルローテーションの様子について、積み木等を複数用いた模型空間について、基点を0°、90°、180°、270°変えた位置からの読み取り及び構成課題を行った。あわせて、大規模空間(食堂)でのメンタルローテーションの様子について、基点を0°、90°、180°、270°変えた位置を出発点としてある目的地まで実際に移動する際の様子を記録し、つまずきの要因との関連性について分析を行った。 結果:小規模空間における模型の読み取りと構成課題では、0°における間違いが最も少なく、次いで180°での成績がよかった。また、大規模空間での移動においても出発点を0°、180°にした場合の方が、90°、270°にした場合よりも成績がよかった。 移動行動のつまずきの要因については、以下の6つに分類された。(1)空間認知能力(メンタルマップ、メンタルローテーション)、(2)移動前の行動計画・記憶(道順、曲がる場所・方向、手がかり等)、(3)現在地や目的地を特定するための知識・技術(手がかりの活用、距離感等)、(4)移動における技術・知識(伝い歩き、方向の取り方等)、(5)迷った時の対応(その場での手がかりの入手と活用等)、(6)その他(自信の有無、思い違い、体調等)。 今後の課題:先天性視覚障害児童の空間認知能力については、個人差が大きいことが考えられる。今後の課題として、日常における行動観察により移動行動との関連性について検討していくことが求められる。また、用いる空間参照枠が自己中心枠であるか外部参照枠であるかと、メンタルローテーション課題における結果との関連性について検討していきたい。 本研究の意義と重要性:先天性視覚障害児童の空間認知能力については、いまだ十分明らかとはされておらず、個人特性と移動行動との関連性を分析していくことは大変重要であると考える。本研究は、先天性視覚障害児童を対象とした歩行指導における、チェックリストや指導項目・方法等の作成につながるものであり、大変意義深い研究であると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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