公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
新奇器官が進化するとき、既存の遺伝子が新たな発現を獲得し新しいネットワークが生まれ器官の発生制御プログラムが完成する。そこでは高度に調律されたシス調節因子の成立が必要である。哺乳類進化にとって重要なステップである胎盤進化はこのモデル系として最適である。胎盤発生とその進化に重要な役割を果たしているHoxA13遺伝子およびDlx3-4遺伝子とその胎盤エンハンサー関連領域を解析するため、まず近年急速に発展しているゲノム編集技術の改良を進めた。連携研究者の理研・岡田康志チームリーダーとの共同研究により独自の改良を加えたsuperTALENによるマウス受精卵への高効率直接ゲノム編集法を確立することに成功した。さらにCRISPR/Cas9システムの改良によりF0世代でほぼ100%ノックアウトを実現する技術を確立した(Sunagawa, Sumiyama et al. Cell reports 2016, Tatsuki et al. Neuron 2016)。この技術を応用してHoxA13遺伝子およびDlx3-4遺伝子コード領域・非コード領域双方の主要因子の各種ノックアウト・ノックインマウス作製を進め、これまでに複数の系統確立に成功した。第一世代のDlx3, Dlx4の遺伝子コード領域ノックアウトマウスの表現型は、Dlx3で胎盤の形成不全・毛の発生異常など、これまでの報告および予想と一致するものであった。今後は非コード領域のノックイン・ノックアウトマウスの作製をさらに進めるとともに、すでに樹立した非コード領域ノックアウトマウスとコード領域ノックアウトマウスとの表現型比較を行い、エンハンサー領域毎の表現型の解析を進めてその進化過程についての考察をまとめていく予定である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (2件)
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120005439165