研究課題/領域番号 |
62460059
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平木 昭夫 大阪大学, 工学部, 教授 (50029013)
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研究分担者 |
広瀬 洋一 日本工業大学, 工学部, 助教授 (90049726)
川原田 洋 大阪大学, 工学部, 助手 (90161380)
田口 常正 大阪大学, 工学部, 講師 (90101279)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | ECRプラズマ / ダイヤモンド薄膜 / 低速中性粒子 / 半導体 / エレクトロルミネッセンス / 核形式の位置制御 / ビーム照射 / 界面評価 / カソードルミネッセンス |
研究概要 |
本研究は、ECRプラズマCVD法を使用し、低圧、低温でダイヤモンド薄膜を合成し、その際、ビーム照射により活性化された表面を使用することにより良質結晶薄膜を形成することを目的として行われた。以下に研究成果をまとめる。 1)低圧でのダイヤモンドの合成と成長機構:電子サイクロトロン共鳴(ECR)条件およびそれよりも高い磁場条件(非共鳴条件)をはじめて成膜領域に応用し、低圧でもプラズマ密度を低下させないでダイヤモンドの成膜を行った。従来法よりも2桁近い低圧である10^<-1>Torr以下でもダイヤモンドの形成が可能であり、この低圧化は成膜温度の低下(従来法よりも200℃以上低下)に結びついた。さらに、低圧下では基板バイアスの効果が顕著となり、負の基板バイアスではダイヤモンドが成長せず、正の基板バイアスでは成長することがわかった。これより、運動エネルギをある程度(〜20eV)もったイオンはダイヤモンドの形成に有害となり、形成に必要なのは10eV以下のエネルギーをもった中性粒子(ラディカル)であることが判明した。 2)均一な粒径をもつ多結晶膜の形成:基板へのArイオン照射により、Si上のSiO_2ドットのエッジに核形成サイトを形成した。ダイヤモンドの核はこれ以外の所に発生せず、単一核から発生した粒子は10μmの大きさまで成長し、粒径のそろった多結晶ダイヤモンドが得られる。この技術は、任意の基板上に単結晶に近い薄膜を形成する上で極めて発展性の高いものである。 3)単結晶に匹敵する物性:気相合成法により得られたダイヤモンド薄膜は、カリードルミネッセンス法により青色および緑色の発光をし、不純物導入により半導体化が可能である。この半導体膜ではショットキー・ダイオードが作製でき、接合面からエレクトロルミネッセンスが観測され、半導体材料としての有望性が認められた。
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