研究概要 |
1.実2次体の量指標のL-関数のある特殊値のLambert型Dirichlet級数のある極における留数を用いた興味深いexpressionを得た. また二重ガンマ関数と上記Lambert型Dirichlet級数との間の関数等式を得た(荒川). 2.2元2次形式のゼータ関数を核関数として球フーリエ変換の有理数体上の類似物を構成し, 有理2元2次形式の空間上のシャワルツ関数の空間のGL(2)のヘッケ環加群としての構造を決定した. H.Maassによって考えられたKoecherのゼータ函数の球関数係数への拡張を概均質ベクトル空間の枠組で一般化した(佐藤) 3.局所体上のエルミート形式および対称形式の空間Xに球関数の類似を定義し, これらを核関数として, X上のSchwartz-Bruhat空間上の球-Fourier変換を与えた. 球関数の関数等式を研究することにより, 球Fourier変換像の情報を提供した. 特に, サイズ2の形式については, 具体的に球関数のparametrization,Fourier逆変換や, Hecke環加群としてのS-B空間の構造の決定等を行った(小林). 4.P進体上の交代行列の空間の球函数論, 概均質ベクトル空間の理論の応用として, 交代行列の表現の局所密度の公式を得た. (佐藤, 小林) 5.Riemann Zeta関数の零点の分布についてのいくつかの興味ある結果を導いた. 零点の虚数部分の一様分布性に関する結果を用いて, L-関数の平均値定理を得た. また, 零点の分布についてのGramの法則に関する定理を得, 予想を作った(藤井).
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