Project Area | Creation of holobiont molecular sciences by integrating biosphere and molecular informatics |
Project/Area Number |
23H03820
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
恒松 雄太 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (30629697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(長崎), 主任研究員 (00583147)
Reimer J・D 琉球大学, 理学部, 教授 (20452956)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥20,280,000 (Direct Cost: ¥15,600,000、Indirect Cost: ¥4,680,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
|
Keywords | ホロビオント / サンゴ / 共生 / 天然物 / 遺伝子改変 / ゲノム / 特化代謝産物 / 生理活性 / 渦鞭毛藻 / 化学物質 |
Outline of Research at the Start |
天然有機化合物(天然物)は各々の生物種に備えられた特殊な代謝機構を介して生合成される物質である。化学構造的多様性が高く、歴史的には医薬品開発の探索源などとして利用されてきた。その一方、実環境に目を移すと、各生産生物がどのような意図で天然物産生を行っているのか?産生された物質の生態における生理的機能や役割は何か?といった根本的な問いについては理解が進んでいない。そこで本研究ではサンゴ-褐虫藻-細菌叢間の共生系に着目し、これら生物間において相互作用に働く鍵物質を同定する。「物質を介して生態系を俯瞰する」という新しい観点を基にした生物圏の生態情報と物質機能情報を紐付ける新たな研究手法を確立する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
生物圏と化学物質を統合的に情報解析し、ホロビオント環境における分子の立ち振る舞いや機能解明をめざすホロビオント分子科学の創成を目指し、3つの計画班を立ち上げて共同研究を開始した。A01班(Reimer)では共生体のフィールド科学・生物多様性解析を、A02班(山下)では共生体の生態学・進化遺伝学解析を、A03班(恒松)では共生体の分子化学解析を、各々連携しつつ進めてきた。本年度5月にキックオフミーティングを琉球大学にて、対面オンラインハイブリッドにて開催した。研究代表者恒松、分担者Reimer・山下および各計画班に所属する分担者・協力者(大学院生含む)、また外部評価委員2名を招待し、約30名弱ほどのクローズドな会にて、各研究者の研究背景・領域の再確認、本領域で達成すべき研究目標について議論した。本総括班の役割は、各研究計画班内の円滑なコミュニケーションと成果・問題点の共有、成果の学会発表、社会への成果・領域情報の発信などのマネジメントを行うことである。そのため、本領域のホームページ「生物圏物質情報」を立ち上げ、イベントの周知、研究班の紹介などを行ってきた。 本領域では特に海洋生物イワスナギンチャクや共生褐虫藻に関わるホロビオント環境に着目している。分野横断型研究を進めるため、9月には西表島の琉球大学熱生研に集い、3者による合同調査を行った。フィールド調査ならびに試料採取を行い、現在、対象生物のゲノム、トランスクリプトーム解析を実施中である。その他、名古屋大、水圏機構八重山庁舎での会合を実施した。 一方、本研究を実施するための化合物解析機器としてLC-MSを名古屋大に導入した。大学院生や博士研究員が自由度の高い測定を実施可能な環境が整備され、今後効率的に研究を進めることが期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、本領域のホームページ「生物圏物質情報」を立ち上げ、イベントの周知、研究班の紹介などを行ってきた。また領域内にて複数回の会議(対面・オンラインいずれも)を実施し、役割分担や研究の方向性の確認を行い、互いに円滑なコミュニケーションが取れる体制を構築した。 本領域では特に海洋生物イワスナギンチャクや共生褐虫藻に関わるホロビオント環境に着目した分野横断型研究を進めるため、西表島の琉球大学熱生研に集い、3つの計画班代表者(恒松・Reimer・山下)による合同調査を行った。フィールド調査ならびに試料採取を行い、現在、研究分担者とともに対象生物のゲノム、トランスクリプトーム解析を実施中である。 また、本共同研究を実施するための化合物解析機器として高分解能質量分析が可能なUHPLC-MSを名古屋大に導入した。学生や博士研究員が自由度の高い測定を実施可能な環境を整備し、今後効率的に研究を進めることが期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度における本総括班の役割は、本年度と同じく、各研究計画班内の円滑なコミュニケーションと成果・問題点の共有、成果の学会発表、社会への成果・領域情報の発信などのマネジメントを行うことである。特に2024年度中には、イワスナギンチャク関係のゲノム・トランスクリプトーム解析が完了する予定であり、本共生に関わる鍵代謝産物のオミクス解析を重点的に進めて行く予定であり、そのサポートとなるように本総括班では研究班間の連携に基づく研究を更に推進する。また、今年度導入したUHPLC-MSに対しては、共同研究試料の測定が滞りなく行えるよう、整備・運用を継続する。また2025年12月には、学会(Pacifichem2025)中において国際シンポジウムを開催することを計画しており、既に学会本部からは採択通知を受けている。そのための準備を、合同にて進める。以上に加え、他の学術変革領域(B)にも複数の関連課題が採択されていることから、連携化促進のために合同会議の実施、他学会でのシンポジウム共催等を行う予定である。
|