Administrative Group
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
天然有機化合物(天然物)は各々の生物種に備えられた特殊な代謝機構を介して生合成される物質である。化学構造的多様性が高く、歴史的には医薬品開発の探索源などとして利用されてきた。その一方、実環境に目を移すと、各生産生物がどのような意図で天然物産生を行っているのか?産生された物質の生態における生理的機能や役割は何か?といった根本的な問いについては理解が進んでいない。そこで本研究ではサンゴ-褐虫藻-細菌叢間の共生系に着目し、これら生物間において相互作用に働く鍵物質を同定する。「物質を介して生態系を俯瞰する」という新しい観点を基にした生物圏の生態情報と物質機能情報を紐付ける新たな研究手法を確立する。