Project Area | Mid-latitude ocean-atmosphere interaction hotspots under the changing climate |
Project/Area Number |
19H05703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望月 崇 九州大学, 理学研究院, 准教授 (00450776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 正人 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00749179)
今田 由紀子 (金丸由紀子) 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50582855)
宮川 知己 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (80584979)
小坂 優 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (90746398)
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Project Period (FY) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥105,560,000 (Direct Cost: ¥81,200,000、Indirect Cost: ¥24,360,000)
Fiscal Year 2023: ¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥21,320,000 (Direct Cost: ¥16,400,000、Indirect Cost: ¥4,920,000)
Fiscal Year 2021: ¥20,150,000 (Direct Cost: ¥15,500,000、Indirect Cost: ¥4,650,000)
Fiscal Year 2020: ¥26,650,000 (Direct Cost: ¥20,500,000、Indirect Cost: ¥6,150,000)
Fiscal Year 2019: ¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
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Keywords | 気候変動 / 極端現象 / 気候モデリング / 予測可能性 / 地球温暖化 / 中長期変調 / 極端気象現象 / 大気海洋相互作用 / データ同化 |
Outline of Research at the Start |
日本の地球温暖化予測研究グループとの連携の下,海洋の気候学的能動性を踏まえた中長期変動物理と予測可能性の視点から,中緯度気候について包括的な理解を目指す。そのために,温暖化予測に関わる気候シミュレーションデータを横断的に精査するとともに,機動性が高いさまざまな気候シミュレーションを併用する。高解像度や観測データとの融合という特色ある気候シミュレーションデータを活用し,変わりゆく気候のなかで中緯度気候や海洋の気候学的能動性に関係する変動物理や中長期変化傾向の解明に向けて,遠隔影響の効果も含めたグローバルな視点から取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,温暖化予測研究の国際標準である大気海洋結合モデル相互比較プロジェクト(CMIP)に対応する気候シミュレーションを活用し,変わりゆく気候のなかでの中緯度気候の変動物理や極端現象の中長期的な変化変調傾向,および予測可能性について,遠隔影響も含めたグローバルな視点から解明することを目指している。そのために,温暖化予測に関わる気候シミュレーションデータを横断的に精査するとともに,HighResMIPと対応するような高解像度の大気モデル・大気海洋結合モデルシミュレーション,およびDCPPと対応するような大気海洋結合モデルのペースメーカー実験や感度実験,予測実験といった機動性が高いさまざまな気候シミュレーションを併用するという特色あるアプローチをとる。本年度は,これまでの物理解析の継続・発展とともに,研究課題を予測可能性の議論や超高解像度数値シミュレーションの実施にも拡張した。特に,日本付近の極端現象(いわばweather extreme)の中長期変化変調の物理プロセスと予測可能性,及び日本付近の気候の季節進行(いわばclimate extreme)の中長期変化変調の物理プロセスと予測可能性について,大規模アンサンブルデータによる統計的・確率論的な解析ととともに,気候予測・観測・再解析データを組み合わせた予測可能性研究,各種数値シミュレーションを活用した他地域からの遠隔影響に関する物理解析研究を実施した。また,日本付近を対象とした超高解像度大気海洋結合モデルシミュレーションを実施して,細かい構造をもつ大気海洋結合現象について具体的な検証解析を実施した。これらに関する学術的な成果は,国内外の学会・研究集会,および投稿論文にて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの成果を踏まえ,日本や東アジア域の極端現象や季節進行における中長期変化変調,及び変化変調をあたえうる極域や熱帯域からの影響と中緯度大気海洋結合を中心に大気海洋物理プロセス解明の研究を継続・発展させた。また,潜在的な予測可能性や実際の予測計算における予測可能性の探究にも研究課題を拡張した。加えて,超高解像度モデリングシミュレーションも試行から実施に移行しつつある。具体的に以下三項目がある。 ・d4PDFを活用して,九州豪雨や西太平洋の台風,冬季東アジア降水降雪について,極端事象や季節進行とともにその中長期変調傾向について明らかにしたほか,気候予測データと組み合わせることにより中長期的な潜在的予測可能性の議論を展開した。とりわけ,東アジアの特定地域の極端降水解析については,短期的な潜在的予測可能性の調査にも拡張した。前年度までの日本の梅雨および台風起因の極端降水に加えて台湾の極端降水を調査をおこない,台風の時期である10月に非常に高い予測可能性が存在することを詳細なスコア解析やS/N解析から明らかにした。 ・熱帯域や極域,中緯度の他地域からの影響も勘案した物理メカニズム研究として,東アジアに夏季異常天候をもたらすシルクロード遠隔影響パターンについて,地球温暖化による弱化とそのメカニズムをCMIP6マルチモデルデータで確認し,特に2020年7月の九州豪雨事例における役割を示した。また,大気海洋結合モデル計算と大気単体モデル計算を実施して,その比較検討から北半球冬季大気循環変動の分散比に対する極域での大気-海洋-海氷結合プロセス効果を見出した。 ・全球雲解像海洋結合モデルNICOCOを用いて黒潮大蛇行の再現実験を実施した。日本東方においては,大気下層の鉛直混合が海面水温に強く依存して,海面水温前線と良く対応した構造として収束と発散,それに伴う上昇流と下降流の生成を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの成果に基づき諸課題を設定して,中長期的に変わりゆく気候のもとでの日本や東アジアの気象や気候に注目しながら,中緯度大気海洋相互作用の物理メカニズムと予測可能性について解き明かしていく。得られた成果は,国内外の学会や研究集会などで発表するとともに,投稿論文にまとめる。これらの諸研究課題のいくつかについて,若手研究員を雇用しながら研究を遂行する。中緯度大気海洋相互作用を軸にしながら,他大洋や極域,熱帯域も含めた気候変動に対する幅広い視野をもつ人材育成に努める。具体的には以下のような課題を扱う。 ・全球気候モデルの再現・予測データとともに,多アンサンブル・高解像度モデリングデータや観測データ・再解析データを組み合わせた解析をおこない,日本付近の極端現象における中長期的な変化変調について特徴的な時空間構造や背景場を含めた卓越プロセス解明の継続とともに,予測可能性にまつわる研究を発展させる。 ・近年の地球温暖化傾向における十年規模での停滞やその後の急進について,大気海洋結合モデルを用いたペースメーカー実験やマルチモデル解析に基づいて要因分析をおこなうとともに,そのなかでの熱帯や中緯度大気海洋相互作用の役割を明らかにする。また,インドモンスーンやアジアモンスーン,エルニーニョ現象などの関連についても議論をおこなう。加えて,近年の地球温暖化に伴う極域の海氷変動に注目しながら,大気大循環との結合による中緯度大気変動の振幅増大メカニズムを明らかにする。 ・全球雲システム解像モデルの数値実験をおこない,北極域とユーラシア域,東アジア域の気候の連動プロセスに注目しながら,高解像度データとしての現象再現性能を検討する。その上で,本領域全体テーマを鑑みた数値実験を実施して,東アジア域での高解像度大気海洋結合現象の具体的事例について解析をおこなう。
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