Budget Amount *help |
¥106,860,000 (Direct Cost: ¥82,200,000、Indirect Cost: ¥24,660,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2022: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2021: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2020: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2019: ¥24,700,000 (Direct Cost: ¥19,000,000、Indirect Cost: ¥5,700,000)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和2年度の実験においては、受精卵特異的重合化核アクチンの発生における役割として、受精後にゲノムに蓄積するDNA損傷の修復促進機能があることを示した。特に、この重合化核アクチンによるDNA損傷修復促進によって、マウス1細胞期胚におけるDNA損傷チェックポイントの活性化を妨げ、結果として受精卵の正常な発生が担保されるという胚発生モデルを示した。また、重合化核アクチンの検出条件を最適化したうえで、体細胞クローン胚におけるアクチンの核骨格構造を調べた結果、クローン胚の核骨格形成異常を発見した。 次に、マウス初期胚における核の硬さや粘弾性の変化を調べる実験においては、単離した初期胚核を用いて、初期胚核が体細胞核と比較して極度に柔らかい特殊な性質を有することを見出した。そこで、生細胞において核の粘弾性の変化を計測する実験システムを構築するため、マウス初期胚のライブセルイメージングを通じた核の形状変化に着目した。Histone H2Bに蛍光タンパク質を標識した融合タンパク質を初期胚に発現させ、核形状変化を計測したところ、初期胚の特定の時期に核が特殊な形状変化を示す現象を発見した。 最後に、全能性核の特性を模倣した核の再構築について進捗を述べる。我々は、細胞周期を人為的に停止させた初期胚に培養細胞核を移植することで、移植した細胞核がレシピエントの胚のクロマチン・転写状態に近づくことを発見した。この実験系を利用し、分化した細胞核を停止した2,4細胞期胚に移植すると、それぞれの発生時期特異的マーカーの活性化が移植核から確認され、移植核の状態が初期胚様に変化する可能性を示した。このように、細胞核のクロマチン・遺伝子発現状態を直接的に初期化するシステムを立ち上げた。
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