Project Area | Excavating earthenware: Technology development-type research for construction of 22nd century archeological study and social implementation |
Project/Area Number |
20H05814
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (I)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 謙一 中央大学, 文学部, 教授 (80303296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 昌児 愛媛大学, 埋蔵文化財調査室, 教授 (10735286)
根岸 洋 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (20726640)
西田 泰民 中央大学, 人文科学研究所, 客員研究員 (80172667)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥22,490,000 (Direct Cost: ¥17,300,000、Indirect Cost: ¥5,190,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 縄文時代 / 弥生時代 / 新石器文化 / 炭素14年代 / 縄紋文化 / 日本列島先史文化 / 炭素14年代測定 / 安定同位体比 / 農耕文化の成立 / 実年代体系 / AMS炭素14年代測定 / 同位体比分析 / 日本先史時代 / 縄文土器 / 土器包埋炭化物 / 先史文化の実年代化 / 年代決定法 / 土器包含有機物試料 / 日本先史年代体系 / 縄文~弥生移行期 |
Outline of Research at the Start |
日本列島新石器文化に対し、土器胎土包含される有機物や土器付着炭化物、遺構での共伴炭化物などの試料を対象とした炭素14年代測定をおこない、日本列島新石器文化から鉄器文化段階である縄紋・弥生時代の較正年代による実年代体系化を完成させる。土器胎土に混入される有機物から復元される生態史と考古編年を対比させ、同位体分析による食性復元や土器胎土内の脂質分析など自然科学分析を先史試料に適用し、日本列島、朝鮮半島、中国大陸など東アジア新石器文化における自然環境と文化変化の関連、地域間交流史を体系化できうる年代的な基盤を作成する。研究は、分担者の柴田昌児が西日本、根岸洋が東日本の試料を収集し、小林が統合する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は列島の先史時代の高精度年代体系の実年代化を進めるための資料収集として、西日本では分担者の柴田により大渕遺跡など愛媛県を中心に縄紋晩期から弥生土器、東日本は分担者の根岸により秋田県の鐙田遺跡の発掘調査資料や群馬県の試料などを収集した。また、代表の小林により、中部日本の縄紋から弥生移行期の年代資料として青森県八戸市内の出土試料・宮城県北小松遺跡、岩手県宮古市崎山貝塚の土器付着物試料や、関東地方下宅部遺跡・下布田遺跡の縄紋晩期から弥生土器について収集・測定した。 それらの試料について、小林が、国立歴史民俗博物館年代測定実験室で前処理をおこなった後、東京大学総合研究博物館年代測定室にてAMS・IRMS測定をおこなった。 測定方法自体のレベルアップも入っていく必要がある。その一端として、測定対象試料の幅を拡げると同時に、試料の種類ごとの相互比較をおこない、測定法の検証を進める必要がある。そのため、同一試料・共伴関連試料を複数の方法で測定する目的で、小林が発掘調査する山梨県北杜市諏訪原遺跡、岡山県小林河原遺跡などの先史遺跡の学術調査で収集した測定可能試料や、既発掘資料である神奈川県大日野原遺跡、東京都滝坂遺跡の土器付着炭化物・竪穴住居の炭化物、炭化材についてAMS炭素14年代および同位体比、さらに木材については酸素同位体比を測定し、年代測定を実施・比較検討した。さらに、遺跡出土土器片の植物遺体レプリカ圧痕調査をおこない、その中からも土器包含炭化物や土器付着物を見つけ出し測定を試みた。研究代表者が、これまでの研究で蓄積してきた年代体系とリンクさせた年代体系モデルを高精度に構築し、微量分析が必要な土器胎土包含有機物試料の年代測定との対比を可能とする年代体系構築を作成しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
B02研究班は、総括研究の主目的である農耕成立期の年代と文化変化を探るため、縄紋~弥生時代移行期の試料を中心に試料収集し、炭素14年代測定をおこなうとともに、安定同位体比分析などを適用し、植物性食料の把握のための基礎的研究を進めた。地域ごとに、縄紋晩期~弥生前期を中心に試料を収集し、AMS測定するとともに、現地研究機関が過去におこなった測定結果データを集成した。西日本では分担者の柴田が愛媛県を中心に縄紋晩期から弥生土器、東日本は根岸が秋田県の鐙田遺跡・成沢遺跡の発掘調査資料、小林が青森県八戸市内の出土試料や岩手県宮古市崎山貝塚、宮城県大崎市、関東地方の縄紋晩期から弥生土器についても収集・測定を進めた。 同一試料・共伴関連試料を測定するために、小林が発掘調査を実施した山梨県北杜市諏訪原遺跡、岡山県小林河原遺跡などの先史遺跡の学術調査で収集した測定可能試料や、前年度までにおこなった既発掘資料である神奈川県大日野原遺跡、東京都滝坂遺跡の土器付着炭化物・竪穴住居出土炭化物、炭化材について、AMS炭素14年代および同位体比、さらに木材については酸素同位体比を測定し、日本先史時代高精度年代体系化を推進した。これらの遺跡では、出土土器片のレプリカ圧痕調査をおこない、その中からも土器包含炭化物や土器付着物を見つけ出し測定を試みた。そのことにより、研究代表者がこれまでの研究で蓄積してきた年代体系とリンクさせた年代体系モデルを高精度に構築し、微量分析が必要な土器胎土包含有機物試料の測定との年代対比を可能とする年代体系を築いていく予備的な試みとなすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
試料収集を2022年度から発展させていく。東日本では、青森県米山・上野尻遺跡、秋田県成沢遺跡、宮城県高田B遺跡、福島県天神原遺跡、千葉県加曽利貝塚など、縄紋後期から弥生前中期へ対象を広げる。西日本では、近畿地方の縄文晩期から弥生中期の遺跡として兵庫県内遺跡、大阪府内遺跡などに拡げる。さらに、北海道の縄紋早期資料や続縄紋など、地域と時代を広げ、縄紋文化全体の枠組みを網羅できるようにする。また、縄紋集落形成過程を住居群の年代素量測定から探るために、かながわ考古学財団の伊勢原・秦野市内の縄紋中期~後期集落の試料について、A01班による土器包埋植物遺体の調査とタイアップして、年代測定研究を進める。ほか、九州地方や南西諸島など日本列島各地の試料を採取し測定しつつ、韓国新石器時代・青銅器時代の試料を関係機関に照会し収集・測定する。年輪年代・酸素同位体分析が可能な縄紋時代の木材の年代測定結果を収集し、測定結果をあわせみることで高精度年代体系の構築の方向性を明示する。 実年代による日本列島の先史時代高精度年代体系を完成させていくほか、B02班と連携しつつ、土器包埋炭化物や、微量試料の測定例を増していくこと、土器付着物の安定同位体比や脂質分析による調理物の復元、食性の検討を進めていくこととしたい。
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