Project Area | Progressive condensed matter physics inspired by hyper-ordered structures |
Project/Area Number |
20H05882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
石川 毅彦 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (00371138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正井 博和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (10451543)
橋本 由介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60872877)
横谷 尚睦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (90311646)
室 隆桂之 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 主幹研究員 (50416385)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥189,800,000 (Direct Cost: ¥146,000,000、Indirect Cost: ¥43,800,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥55,900,000 (Direct Cost: ¥43,000,000、Indirect Cost: ¥12,900,000)
Fiscal Year 2021: ¥27,560,000 (Direct Cost: ¥21,200,000、Indirect Cost: ¥6,360,000)
Fiscal Year 2020: ¥74,880,000 (Direct Cost: ¥57,600,000、Indirect Cost: ¥17,280,000)
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Keywords | 超秩序構造 / 光電子ホログラフィー / ドーパント構造 / 超高温融体 / 非晶質構造 / 高温融体 / 微小重力物性計測 / 電子状態計測 / 原子配列計測 / 硬X線ホログラフィー |
Outline of Research at the Start |
本研究は、機能材料に存在する「超秩序構造」を対象として、マクロスケールの精密な物性測定及びX線ホログラフィーを利用したミクロな測定(原子配列計測と電子構造の同時計測)を行い、マクロ/ミクロの両面からの計測を通じて構造と機能性発現機構の関係を明らかにするものである。マクロ物性測定においては、国際宇宙ステーションにおける微小重力下での融体熱物性測定および地上におけるNMRや陽電子消滅法等、様々な計測を行う。ミクロの原子配列/電子構造の同時観測については、既存の軟X線装置による計測に加えて硬X線ホログラフィー装置の開発を行い、完成した装置をSPring-8に組み込んで実際の観測を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
微小重力環境を用いた酸化物融体の熱物性計測においては、国際宇宙ステーションに搭載した静電浮遊炉を用いてMgO-SiO系およびLa2O3-Nb2O5系について、組成を変えて融体の密度、表面張力、粘性係数の測定に成功した。また、2400℃以上の融点を持つ希土類酸化物(Tm2O3、Lu2O3及びYb2O3)について融体密度の測定に成功した。 軟X線光電子ホログラフィー分光装置を用いて、BiS2系超伝導体を中心に機能性材料の局所構造研究を進めた。エキゾティック超伝導体候補物質であるLa(O,F)BiSe2超伝導体の研究では、SnおよびPb置換により超伝導特性の向上した試料の光電子ホログラフィー実験とその解析を行った。Sn置換試料については、SnがBiサイトに置換することに加え、その価数が+2価であることを突き止めた。これらのデータは、超伝導特性向上の理由を考える上で基礎データとなる。Pb置換試料については、光電子ホログラフィー実験を行い、全ての構成元素についてホログラムを得ることに成功した。加えて、RE(O,F)BiSe2のEXAFS研究からは、BiS2層の強誘電的歪みのRE依存性を明らかにした。更にSPrin-8実験の効率化のため、試料の事前評価のための装置のアップグレードを進めた。 硬X線対応の光電子ホログラフィー分光装置の開発については、装置の設計、部品の購入等の準備作業を計画通り進めている。次年度以降組み立て及び性能評価を進め、次々年度に予定しているSPring-8搬入に向けて予定通り作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微小重力環境での酸化物融体の熱物性計測に関しては、制御ソフトウェアの更新を行い、これまで表面電荷が不安定となって測定が困難であった1500℃程度の温度域でも安定した浮遊及び熱物性計測が可能となり、今年度目標としていた酸化物の熱物性計測に成功している。 硬X線光電子ホログラフィー分光装置の開発も当初の予定通り、部品の調達や組み立てが進められている。SPring-8に設置してある軟X線光電子ホログラフィー分光装置を用いた研究では、BiS2系超伝導体を中心に機能性材料の局所構造研究が進められ、多くの知見を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
微小重力環境での高温酸化物融体熱物性計測に関しては、継続して計測を進めて行く。密度、表面張力、粘性係数に加えて定圧比熱の算出が出来ないか検討を進めていく。硬X線光電子ホログラフィー分光装置の開発は、次年度に組み立て及び単体の機能試験を終了して、次次年度にSPring-8に搬入する予定をキープする。既存の軟X線光電子ホログラフィー分光装置については継続して利用し、BiS2系超伝導体に加えて、他の機能性物質にも測定対象を広げて研究を進める。
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