Budget Amount *help |
¥177,190,000 (Direct Cost: ¥136,300,000、Indirect Cost: ¥40,890,000)
Fiscal Year 2024: ¥30,810,000 (Direct Cost: ¥23,700,000、Indirect Cost: ¥7,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥31,330,000 (Direct Cost: ¥24,100,000、Indirect Cost: ¥7,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥31,330,000 (Direct Cost: ¥24,100,000、Indirect Cost: ¥7,230,000)
Fiscal Year 2021: ¥29,770,000 (Direct Cost: ¥22,900,000、Indirect Cost: ¥6,870,000)
Fiscal Year 2020: ¥53,950,000 (Direct Cost: ¥41,500,000、Indirect Cost: ¥12,450,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、新生鎖の状態で、制御された翻訳アレストという機構を用い、細胞内環境をモニタリングし、遺伝子発現制御を介して細胞の機能を調節する「機能性新生鎖」の生理機能と分子機構の解明を目指している。 代表者・千葉は、昨年度複数同定した新規のアレストペプチドの解析を進めた。これらの中の多くは、ApcA, ApdA, ApdPと同様、C末端付近にRAPP様配列を持つものが多く、共通のしくみで翻訳アレストを引き起こしていることが示唆されたが、翻訳停止位置や変異による効果などに共通性が見出された。また、国際共同研究により、ApdA、ApdPのリボソーム複合体の構造解析を行い、この両者がC末端付近においてリボソーム内で同じ構造をとることで翻訳アレストを起こしている事が示された。また、この構造は、別のアレストペプチドであるSecMとも共通していた。 研究分担者の内藤は、植物における小胞体ストレス応答を司るbZIP60転写因子の活性化に関する解析を行い、シロイヌナズナ、イネ、イヌカタヒバ(小葉シダ類)、およびヒメツリガネゴケ(セン類)のオルソログで翻訳アレストが起ることを見出した。シロイヌナズナ、イネ、およびヒメツリガネゴケのbZIP60オルソログでは翻訳伸長過程で翻訳アレストが起こるのに対して、イヌカタビバでは翻訳終止段階で翻訳アレストが起こっていた。また、同じ翻訳伸長段階での翻訳アレストであっても、シロイヌナズナとヒメツリガネゴケでは翻訳アレストを引き起こすアレストペプチドの配列が異なっていた。同じ生理現象に関わる翻訳アレストで、「アレスト方策」が異なることは興味深い。一方、ゼニゴケ(タイ類)や藻類のオルソログでは翻訳アレストは検出されず、bZIP60転写因子の活性化に翻訳アレスト以外のメカニズムが作用していることが考えられた。
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