Budget Amount *help |
¥60,970,000 (Direct Cost: ¥46,900,000、Indirect Cost: ¥14,070,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,130,000 (Direct Cost: ¥10,100,000、Indirect Cost: ¥3,030,000)
Fiscal Year 2020: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
オタマボヤは、表皮から分泌する「ハウス」と呼ばれる袋状の構造に棲んでいる。ハウスはセルロースを含んでおり、海水中の餌となるプランクトンを濾しとって食べるための網目や流路が組織化された複雑な三次元構造をもつ。オタマボヤは、スペアのハウスを2-3枚、折り畳んだ状態でまとい、外側の1枚を膨らませて使用する。代表者はこれまで、ハウスは「繊維状の素材」を組み合わせた編み物(織物)とみなせると作業仮説を立てて、その実態解明に取り組んだ。本年度は、以下のような成果を得た。 (1) ハウスの三次元構造の解明に成功した。昨年度に撮影に成功したセルロースの蛍光画像を手作業で修正し、これをもとに立体模型を3Dプリンターにより作成した。ハウスの内部における水や餌の動きについて可視化できるようになった(Onuma et al., 投稿準備中)。 (2) 折り畳みの立体構造の画像データの取得に成功した。昨年度に開発した、ハウスをゼリー化して撮影する方法をもちいて、正立型双方向ライトシート顕微鏡(QuViSPIM、総括班の共同利用機器)により画像を取得した。これにより、折り畳みが展開するプロセスを数理シミュレーションするためのデータが出揃った。 (3) 折り畳みにごま油を注入して標識し、ハウスの各部位と対応づける実験系を開発した。 (4) オタマボヤの表皮細胞に細胞数や位置関係に個体差がない。セルロース合成酵素(CesA2)のホールマウントin situ hybridizationにより、ハウス形成の遺伝子プログラムの読み取りを試みた。従来の表皮細胞では口元の表皮細胞を特定できない問題をふまえ、完全なる表皮細胞マップを作り直した(Suwa et al., 未発表)。 (5) 表皮細胞が特定方向に収縮・弛緩を繰り返す新規の細胞運動を見出した。セルロースが一定間隔にそろった網目を形成するしくみに結びつく可能性がある。
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