Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
20H05963
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | NTT Communication Science Laboratories |
Principal Investigator |
安田 宜仁 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 主幹研究員 (50396149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 英知 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10334848)
有村 博紀 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (20222763)
井上 武 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 特別研究員 (70873678)
美添 一樹 九州大学, 情報基盤研究開発センター, 教授 (80449115)
西野 正彬 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 特別研究員 (90794529)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥92,820,000 (Direct Cost: ¥71,400,000、Indirect Cost: ¥21,420,000)
Fiscal Year 2024: ¥23,920,000 (Direct Cost: ¥18,400,000、Indirect Cost: ¥5,520,000)
Fiscal Year 2023: ¥22,100,000 (Direct Cost: ¥17,000,000、Indirect Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2022: ¥23,010,000 (Direct Cost: ¥17,700,000、Indirect Cost: ¥5,310,000)
Fiscal Year 2021: ¥21,840,000 (Direct Cost: ¥16,800,000、Indirect Cost: ¥5,040,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | アルゴリズム基盤 / アルゴリズムの社会還元 / 並列型ソルバ / 部分グラフ数え上げ / 圧縮索引 / Answer Set Programming / 分子設計 / 厳密被覆 / 革新的アルゴリズム基盤 / MSO / 並列SAT / ネットワーク信頼性 / 準最適解集合 / 非同期ストリーム索引 / 説明可能性 |
Outline of Research at the Start |
本研究班では、領域内他研究班で得られる成果を「アルゴリズム基盤」という共通の場に実装することにより、応用研究者が個別のアルゴリズムを探索・検討せずとも最先端の革新的アルゴリズム群を利用できる仕組みを構築する。 こうした仕組みがうまく機能するためには、アルゴリズムが持つ数学的な構造は維持しつつ、かつ、応用研究者は問題を容易に記述できるようなアルゴリズムと応用の「良いつなぎ方」が求められる。そこで本研究班では、「良いつなぎ方」の探索を中心的な課題と捉え、実応用問題を用いたケーススタディを通じてそのあり方を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
西野、安田、井上らは連結成分の列挙に基づくネットワーク信頼性の研究では、期待接続数の厳密計算(INFOCOM 2023)や故障の規模に応じた不稼働率の厳密計算(ICC 2023)が、実用的なサイズのインフラネットワークで可能となった。また、ネットワーク信頼性に限らず、連結成分制約下での部分グラフの同時数え上げとして一般化したフレームワークを考案した(SEA 2023)。 鍋島はASPベースの看護師勤務表生成システムを構築し、大学附属病院の5部署において2023年10月より試験運用を開始した。このシステムは、優先度付き巨大近傍探索に基づき、勤務表の対話的構築やリスケジューリングを実現している。 有村は情報検索における圧縮テキスト構築の研究を進め、CDAWGと呼ばれるグラフベースの圧縮索引から、広く用いられている各種の圧縮索引を、入出力の圧縮索引のサイズの線形領域と時間で計算可能なことを示した(SPIRE2023)。さらに、文字列集合の最長共通部分列(LCS)に関して、相互のハミング距離の総和および最小値を最大化する多様なLCS集合を求める問題を考察し、近似アルゴリズムと固定パラメータ計算の観点から、問題の計算量を明らかにした(arXiv; CPM2024予定)。 美添らは、大規模並列探索機能を持つ分子設計のフレームワークを作成し、蛍光物質、医薬品などの機能分子を計算機を用いて設計する手段を開拓した(WIREs Computational Molecular Science掲載) 班全体の活動としは、指定された制約を持つ部分グラフの個数についての競技会を実施し、海外3カ国を含む国内外から計11チームが参加し、情報処理学会情報科学技術フォーラム(FIT 2023)の場で報告会を行った。 また、厳密被覆問題の応用として、木造CADの問題に取り組み、木造CAD企業と連携して実課題を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文字列やグラフ数え上げなど基本的なアルゴリズム研究そのものに加え、医療現場、機能分子計算、通信インフラ信頼性など、複数の実社会の課題に対する研究を進めることができ、それぞれの社会分野でアルゴリズムの実装がどのように貢献するかが明確になってきた。 部分グラフ数え上げ競技会の初開催は今期の特筆すべき活動のひとつである。初開催でありながら、海外3カ国を含む11チームが参加し、部分グラフ数え上げに対する多様な実装の工夫が共有された。特に運営側としては事前に想定していなかった解法アプローチが見られたことは、関連研究者にとって問題解法の可能性を広げる重要な機会となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで進めてきた医療現場、分子計算、通信インフラなどの研究の個別アプローチを超え、これらに共通する技法やアプローチを抜き出し、知見を統合し、より汎用性の高いアルゴリズムやフレームワークを開発することを目指す。これにより個別の課題を超えた、グラフ帰着可能ないくつかの実社会上の問題に貢献できると考えている。厳密被覆解法を活用した木造CADの開発に引き続き取り組む。日本の住宅建築の効率的な設計支援に繋がることを目的とする。初回開催で大きな知見を得た部分グラフ数え上げ競技会を拡大し、有向グラフを含める予定である。より多様なアプローチやアルゴリズムが集まり、グラフ理論に関する広範な知見が得られる場とする。 これらの取り組みを通じて、班全体としての研究活動の深化と発展を図り、社会的にも意義のある成果を創出していく所存である。
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