Project Area | Creation and Organization of Innovative Algorithmic Foundations for Leading Social Innovations |
Project/Area Number |
20H05967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
牧野 和久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60294162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 廣隆 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (00346826)
定兼 邦彦 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (20323090)
玉置 卓 兵庫県立大学, 社会情報科学部, 准教授 (40432413)
瀧本 英二 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (50236395)
渋谷 哲朗 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60396893)
河村 彰星 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (20600117)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥130,520,000 (Direct Cost: ¥100,400,000、Indirect Cost: ¥30,120,000)
Fiscal Year 2024: ¥32,240,000 (Direct Cost: ¥24,800,000、Indirect Cost: ¥7,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥32,240,000 (Direct Cost: ¥24,800,000、Indirect Cost: ¥7,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥32,240,000 (Direct Cost: ¥24,800,000、Indirect Cost: ¥7,440,000)
Fiscal Year 2021: ¥30,550,000 (Direct Cost: ¥23,500,000、Indirect Cost: ¥7,050,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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Keywords | アルゴリズム / アルゴリズム論 / データ構造 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,現在の高度情報化社会を駆動する「アルゴリズム」の基礎理論をさらに追及し,展開させること目的とする.P vs NP問題に代表されるように,アルゴリズム分野において未解決に残された部分は数多く存在する.一方,情報学,工学,農学,医学など多様な応用分野では,それぞれに特化したアルゴリズムが開発されている.それらアルゴリズムを飛躍的に進化させるためには,基礎理論の革新が必要不可欠な現状にある. 本研究では,データ構造効率化法,離散構造解析法を行うこと,また,他の計画班と密接に連携を行うことで,アルゴリズム理論の革新を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題を大きく1.アルゴリズム研究(AL),2.データ構造研究(DS)に分ける形で取り組みそれぞれ研究成果を得た.以下1,2の各テーマで得られた結果を概観する. 1.[最適化AL] 牧野は下限付き安定マッチング問題を下限の充足率最大化問題としてとらえ直しその近似比の上下界を与えた.小野はグラフ上の色付きトークンの再配置問題のNP完全性が,ある性質を満たすグラフ群において成立することを示し, また既存の多項式時間アルゴリズムの適用範囲を大幅に拡大した.[論理学的AL]牧野は,関係データベース等への応用のためキーホーン関数を定義した.その最小表現導出がNP困難であることを示し近似アルゴリズムを与えた.玉置は包除原理型指数時間アルゴリズムが有効であるいくつかの計算困難な組合せ問題に対して,論理回路型SATを介する計算量改善が可能であることを示した.[学習論的AL]瀧本は統計的学習問題に関する広範な帰着フレームワークを与えることにより多くの学習問題が複数インスタンス学習問題に帰着できることを示した.また多くのブースティング手法に適用可能なFrank-Wolf法型解釈を与えることにより,収束保証の下での複数の手法を組み合わせを可能とした.[計算論的AL解析] 河村は昇降機などの運行戦略についてオンラインモデル化し,競合比解析を行い従来研究よりも良い戦略や正確な理論的限界を得た. 2.[圧縮DS] 定兼は様々な交差グラフに対する簡潔表現とそのサイズの最適性の証明を統一的に与える手法を考案した.また半順序集合の簡潔表現も与えた.[計算生物学のDS] 渋谷はゲノムワイド相関解析データにおける統計報公開のための差分プライバシー保護手法について離散フーリエ変換に基づく高速・高精度アルゴリズムの開発に成功した.また結晶の分子構造のグラフ構造の特徴のための数え上げ手法を構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
成果概要に概観したようにほとんどの研究テーマにおいて,数件以上の新成果が得られ,それらは査読付き論文誌・国際学会会議録として採択に至っている.採択された論文誌・国際会議の多くはハイレベルあるいは定評のあるものがほとんどであり,メンバーがそれぞれ自分の強みを生かしながら活躍していると言える.成果の中には,プライバシー保護分野のトップ国際会議IEEE TrustCom(投稿数509、採択数101)でIEEE Outstanding Paper Awardを受賞するなど国際的にも高い評価を受けたもの[Yamamoto+, 2022],メンバーの指導する学生がBest Student Paper Awardを受賞したもの[Kiya+, 2023], その他国内学会等での論文賞・発表賞などを受賞したものなどが含まれており,本研究課題推進は若手研究者育成にも強く関与している. さらに,研究代表者の牧野が「離散列挙アルゴリズムとその応用に関する研究」により文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞するなど(本研究課題に深く関連する)研究活動が高く評価されている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(2023年に研究を行う)以降は,過去3年抑制されてきた対面でのミーティング・セミナー等が開催しやすくなると考えられる.このため積極的なメンバー同士の交流を促し,あるいは機会を設定することにより,アルゴリズム論に関する新たなアイデアの融合・創出の可能性を高める.そのような融合における核となりうる研究テーマ例の一部を以下に挙げる: [最適化アルゴリズム] 小野はPSPACEなどNP完全よりもより高い階層に位置する最適化問題に対するアルゴリズム設計に取り組む.[論理的アルゴリズム]玉置は,論理的アルゴリズム設計の観点から, 論理回路の充足可能性問題に対するアルゴリズムとその応用, 量子版の制約充足問題である局所ハミルトニアン問題に対するアルゴリズムの研究に取り組む予定である. [学習論的アルゴリズム]瀧本は,計算学習理論やオンライン意思決定の理論およびその応用に関する研究に取り組む予定である. [圧縮データ構造] 定兼は様々なグラフクラスに対する簡潔表現の研究を行う.また,大量の文字列集合を圧縮して保存し,そこから高速に検索するための索引構造についての研究も行う.[計算生物学におけるデータ構造] 渋谷は,生物情報学・医療情報学などで重要とされる問題についてアルゴリズム設計理論の応用を探りながら,より大きなインパクトのある研究をめざし研究を続けていく.
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