Project Area | Formation of the Multiscale Muon Imaging for Particles and Huge Structures |
Project/Area Number |
21H05086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森島 邦博 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (30377915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 成悟 東京大学, 地震研究所, 助教 (80402444)
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Project Period (FY) |
2021-08-23 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥39,000,000 (Direct Cost: ¥30,000,000、Indirect Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,210,000 (Direct Cost: ¥11,700,000、Indirect Cost: ¥3,510,000)
Fiscal Year 2022: ¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | ミューオン / 原子核乾板 / ピラミッド / 火山 / 宇宙線 / 三次元イメージング |
Outline of Research at the Start |
地上に降り注ぐ宇宙線中に含まれる素粒子「ミューオン」が持つ極めて高い透過力を利用して、ミューオンが物体中を透過する際に生じる減衰を計測する事で、巨大な物体内部の密度コントラストを可視化する「宇宙線ミューオンイメージング」の技術革新により、ピラミッド(考古学)、火山(地球惑星科学)の内部の高精細三次元密度分布の可視化を実現し、異分野融合研究を通して各々の学術的な問いに迫る。原子核乾板を用いて、大規模かつ多地点からの同時観測を実現し、厚さが1m規模の人工構造物から1km規模の火山までマルチスケールな対象への多彩化の基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
地上に降り注ぐ宇宙線中に含まれる素粒子「ミューオン」が持つ極めて高い透過力を利用して、ミューオンが物体中を透過する際に生じる減衰を計測する事で、巨大な物体内部の密度コントラストを可視化する「宇宙線ミューオンイメージング」の技術革新により、ピラミッド(考古学)、火山(地球惑星科学)の内部の三次元イメージングを実現し、異分野融合研究を通して各々の学術的な問いに迫る。原子核乾板を用いて、大規模かつ多地点からの同時観測を実現し、厚さが1m規模の人工構造物から1km規模の火山までマルチスケールな対象への多彩化の基盤を構築する。 三次元ミューオンイメージングの技術開発のために、複数の原子核乾板を用いてエジプトのクフ王のピラミッドで観測したデータおよび過去に名古屋大学のニューブリッジの内部を観測したデータを用いて三次元再構成手法の開発を進めた。クフ王のピラミッドの北側に位置する切妻構造背後の空間の形状の解析結果を公表した。カフラー王のピラミッドおよびメンカウラー王のピラミッドの三次元可視化のための原子核乾板の設置・回収作業を行った。新しい活火山を対象とした観測の検討を開始した。イタリア・ナポリの地下遺跡における多地点観測結果を公表した。ホンジュラスのコパン遺跡およびグアテマラのティカル遺跡の観測の準備を開始した。 可視化対象の多彩化のための原子核乾板技術の開発を進めた。潜像退行特性の改善に寄与する可能性があるゼラチン中に含まれるメチオニンの効果検証を進め、ゼラチンに同様の作用機構を付与する開発を進めた。また、300nm粒子径の大粒子原子核乾板の開発および現像条件の最適化により、大幅な感度の向上を達成した。運動量測定のための新しい計測技術の論文を公表した。本開発技術を用いた新しい対象への適用の検討を進め、熊本城の石垣内部の健全性評価手法の開発を開始した。上記の成果発表を関連する学会で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新しい計測対象としてエジプトのメンカウラー王のピラミッドの三次元可視化を開始したことで、ギザの三大ピラミッド全ての観測を進めており、エジプトのピラミッドの観測は当初の計画以上に順調に進展している。 原子核乾板の改良については、従来比1.5倍の300nmの粒子径である大粒子原子核乾板の開発に成功し、従来と同程度のノイズレベルでより高い感度を達成した。これにより、現行の原子核乾板読み取り装置に限らず、新型原子核乾板読み取り装置への適応が可能となり、更なる高感度化の展望が得られた。 成果発表については、エジプトのクフ王のピラミッドおよびイタリア・ナポリの地下遺跡の研究成果を公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
ピラミッドの解析では、クフ王のピラミッドの中心部に発見した巨大空間を対象として大回廊内部および地下の間に設置した原子核乾板による観測データの解析および空間の三次元形状推定を進める。カフラー王およびメンカウラー王のピラミッドに設置した原子核乾板の設置・回収および解析を進める。ホンジュラスのコパン遺跡およびグアテマラのティカル遺跡の神殿ピラミッドの観測を進める。火山観測については、引き続き新しい火山の観測対象の選定を進める。可視化対象の多彩化のための原子核乾板技術の開発を引き続き進める。潜像退行特性の改善に寄与する新しい化合物探索を進める。更なる高感度化を狙い、粒子径400nm以上の原子核乾板の開発と新型原子核乾板飛跡読み取り装置への最適化を進める。引き続き、本開発技術を用いた新しい可視化対象への適用の検討および観測を進める。
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