Project Area | Creation of Materials by Super Thermal Field: Neo-3D printing by Manipulating Atomic Arrangement through Giant Potential Gradient |
Project/Area Number |
21H05197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石本 卓也 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (50508835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 正人 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (40362660)
松垣 あいら 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10592529)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥111,280,000 (Direct Cost: ¥85,600,000、Indirect Cost: ¥25,680,000)
Fiscal Year 2024: ¥20,410,000 (Direct Cost: ¥15,700,000、Indirect Cost: ¥4,710,000)
Fiscal Year 2023: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2022: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2021: ¥29,120,000 (Direct Cost: ¥22,400,000、Indirect Cost: ¥6,720,000)
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Keywords | 超温度場 / チタン合金 / バルク / 表面 / 造形条件 / 結晶配向 / 表面形態制御 / 絶対安定 / レーザー粉末床溶融結合法 / 金属バイオマテリアル / 超急冷 / 3Dプリント / 生体との相互作用 / バイオマテリアル / 急冷 / 不安定相 / 単結晶 / 細胞・骨誘導 / 異方性 |
Outline of Research at the Start |
3Dプリント(3DP)が生み出す「超温度場」を駆使して、骨に用いるバイオマテリアルを具体的なターゲットとし、「表面」と「バルク」の両観点から高機能なデバイスを創製するための科学的な取り組みを行う。3DPを用い、(バルク)原子の配列やその方向を緻密に制御するとともに、表面には細胞制御のための形態的・化学的修飾を施し、人工物を介して骨生体機能を人為的に操ることができるバイオマテリアルを獲得する。さらに、生体内でのバイオマテリアルの機能性を評価するための指標を策定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、「バルク」に関しては、超温度場下での凝固挙動と実際に形成される結晶集合組織の関連性の解明を試みた。3Dプリントにおけるレーザ照射時の急峻な温度変化に基づく溶融・凝固挙動は、有限要素法による温度場シミュレーションによって推定、可視化した。高エネルギー密度条件(高レーザ出力・低走査速度)では単結晶様組織が、低エネルギー密度条件(低レーザ出力・高走査速度)では無秩序配向を示す多結晶組織が形成された。凝固条件は、低エネルギー密度条件での温度勾配(G)と凝固速度(R)の分布は、高エネルギー密度条件でのそれらより相対的に高R側に位置することが明らかとなった。さらに、レーザ出力と走査速度はRに顕著に影響する一方で、Gにはほとんど影響を及ぼさないことが推定された。このような精緻なレーザ条件制御により形成したβ型チタン配向制御材において、公募班との連携に基づき、生体材料としての高機能性につながる、バルクとしての力学特性を解明した。 「表面」に関しては、表面形態創製に取り組み、超温度場とチタンとの相互作用によって生じる種々の物理現象に基づき、結果として表面の形態変化を生じさせることを明らかにした。これには、反跳圧力や対流が関与していることが、A01-a班との連携によるCtFD解析により示唆された。さらに、チタンが活性な金属であることに注目し、in situで溶融中に雰囲気ガスと反応させることで造形体内部・表面の化学的な改質を可能とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バルクに関しては、結晶集合組織の造形条件依存性の解明に成功した。単結晶化は、<100>での低ヤング率を達成可能であることから、とりわけ骨バイオマテリアルの高機能化には不可欠な方向性である。一方で、異方的な特性を必要としない構造部材には多くの場合多結晶が要求されるが、凝固方向に強い指向性を有する積層造形型の3DPにおいては、多結晶化はむしろ困難である。本研究にて、温度場シミュレーションを介して造形条件と組織の関係を構築することができた。本モデルを用いれば、計算に用いる熱物理特性の変更によって金属種を限定することなく、単結晶、多結晶といった特定の組織形成のための造形条件を探索することが可能であるとともに、装置の規格外の条件での凝固挙動をも予測することが可能である。したがって、本知見は、他合金、ひいては、バイオマテリアル分野以外への波及効果も大きい。さらに、公募班との連携により、β型チタン合金単結晶様組織(昨年度報告)における機能性が明らかになっている。組織形成、機能解明の量観点から進展が得られている。 表面に関しては、当初計画していた、表面形状制御と化学的表面修飾の同時実施の可能性を示すことができ、順調に進捗していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
バルクに関しては、これまでに、超温度場下でのin situ alloyingによるβ型チタン合金の作製ならびに組成に依存した相変態挙動を明らかにするとともに、単結晶様から多結晶までの結晶集合組織制御を実現した。さらに、公募班との連携に基づき、バルクとしての機能性を明らかにした。今後は、新たな公募班との連携の下で、新たな生体機能性の開拓に注力する。並行して、バルクと表面の一体成型に向けての造形精度向上と雰囲気制御の方策を検討する。 一方、表面創成に関しては、領域内連携に基づき、超温度場により表面形態が形成される機序の解明や、表面形態制御の実現に向けて、レーザと金属との相互作用、ならびにその結果生じる現象(温度変化(溶融・凝固)、流動、形状変化等)を記述可能なシミュレーションモデルを構築する。デジタルツイン科学により、表面形態の造形条件依存性を明らかにし、生体制御への最適値を探索する(A01-a班との連携を想定)。さらには、化学的修飾の機序解明と、修飾後のナノ構造や物理特性の変化について、最先端分析により明らかにする(A02-b班との連携を想定)。創成した表面の生体機能性を、細胞配列や基質健全性の観点から評価し、超温度場の特異性を活用した高生体機能化バイオマテリアルの実現に向けて邁進する。
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