Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
21H05204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 愛幸 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90508350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 真人 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (10333890)
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 教授 (30272503)
横田 裕輔 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (30840540)
大久保 慎人 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (50462940)
塩原 肇 東京大学, 地震研究所, 教授 (60211950)
荒木 英一郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), グループリーダー (60359130)
葛西 恵介 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80534495)
青木 陽介 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90376624)
板場 智史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (90589285)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥303,810,000 (Direct Cost: ¥233,700,000、Indirect Cost: ¥70,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥19,630,000 (Direct Cost: ¥15,100,000、Indirect Cost: ¥4,530,000)
Fiscal Year 2023: ¥89,960,000 (Direct Cost: ¥69,200,000、Indirect Cost: ¥20,760,000)
Fiscal Year 2022: ¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2021: ¥147,680,000 (Direct Cost: ¥113,600,000、Indirect Cost: ¥34,080,000)
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Keywords | スロー地震 / 重力 / ファイバセンシング / 海底地震観測 / 海底地殻変動観測 |
Outline of Research at the Start |
光計測および海中海底工学を取り入れることで、既存の観測手法では困難だった高い時空間分解能で効率的に地震関連現象に伴う変形と重力変化を計測する技術を開発する。開発した技術を実際の地球物理学的フィールドに適用し、地震現象が定常時からカタストロフィへ遷移するプロセスの詳細把握を実現する。具体的には、①重力計測、②光ファイバー計測、③海底計測によって地殻流体移動に伴う重力変化を詳細に捉えるとともに、地殻変動・Slow地震・通常の地震という低速から高速の現象に対しこれまで観測できなかった帯域を含む、広い領域にわたる継ぎ目のない観測「マルチスケール観測」を実施することで、それらの現象の実態を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
広帯域にわたり空間的に継ぎ目なく地震現象を捉えるマルチスケール観測の実現のため、以下の3つの技術開発を行った。 1.重力計測グループでは、東北大が光源の周波数安定度向上、長期自動安定動作システムの開発、光ファイバーネットワークを用いた多点・遠隔計測方式の検討及び基礎実験を継続した。東大地震研は絶対重力計用の小型収録機を開発し、水沢江刺観測所において、これまでに開発した複数の重力計を用いた比較観測を実施した。東大理学部は、流体移動に伴う重力シグナルを評価するために重力データから地下水によるノイズを低減する解析手法や理論モデルを開発した。 2.ファイバ計測グループでは、海洋研究開発機構が、昨年度開発したTW-COTDRの性能を評価するため、神岡鉱山と室戸海底ケーブルで試験観測を開始した。神岡鉱山では局地的な歪場が良く観測できることが確認でき、室戸ケーブルでは連続観測により海底の温度変化が主要な要因と思われる変動が捉えられた。温度の影響を補正するための海底水温計測も9月から実施中である。同ケーブルではDASによるスロー地震の検出に成功した。これらの結果は主要な国際学会AGUの招待講演で報告した。産総研・高知大・東大地震研は、既存の地震・地殻変動観測技術とB01班の公募研究によるファイバ計測との比較検証を行うための検討を開始した。 3.海底計測グループでは、東大地震研が、水深6000 mを超える海域において計測可能な地震計のセンサ開発を継続するとともに、その他の部位の開発に着手した。東大生産研は従来の船舶を用いた観測の時間分解能を改善するため、ブイ及びUAVによる海底地殻変動観測手法の開発を開始し、AGUの招待講演で進捗報告を行った 以上に加え、流体が群発地震活動を誘発していると考えられる能登半島において、B02班の公募研究者と共同でファイバ計及び重力観測を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度開発したファイバ計測機器の試験観測を含め、予定どおり研究計画が進展している。ファイバ計測と海底観測に関しては主要な国際学会で招待講演が行われ、本領域の研究開発が注目されていることがうかがわれる。また、当初の予定に含まれていなかった能登半島群発地震域において、ファイバ、重力計測によるマルチスケール観測も開始した。この群発地震はこれまでに観測されたことのない非常に稀な現象であるとともに流体の関与が指摘されている。本観測が、地震発生に流体が及ぼす影響の解明に貢献することが期待される。 本年度には領域として台湾押しかけワークショップが行われたが、それに先立ってB01班の3グループから1名ずつ、台湾の研究機関と共同で講演会を約3日にわたり実施するとともに、共同研究に発展させるための議論を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って以下の研究開発を実施・継続する。 1.重力計測グループは、前年度の内容を継続し、東北大が光源の周波数安定度向上、長期自動安定動作システムの開発、光ファイバーネットワークを用いた多点・遠隔計測方式の検討及び基礎実験を行う。東大地震研は前年度までに製作した収録装置を小型絶対重力計と接続し、通信帯光源および2台の重力計を用いた多重信号検出と観測サイトでの実証動作試験を行なう。東大理学部は検証のための重力データ取得・解析を行う。 2.ファイバ計測グループは、海洋研究開発機構が、TW-COTDRの性能評価および温度変化補償手法の開発を継続するとともに、常時観測により高速~低速現象を高い分解能・ダイナミックレンジで観測できるTGD-DASを開発する。産総研・高知大・東大地震研は、公募研究とも連携し、広帯域地震計・孔内傾斜計・歪計等の既存地震・地殻変動観測技術との比較検討を行う。 3.海底計測グループは、海底地殻変動計測では、昨年度までに準備したセンサ・ロガーを内包する、海底地震計全体の機構設計・製作を実施する。東大生産研は昨年度行われたブイ及びUAVによる海底地殻変動観測実験のデータを基に,機体を用いた水槽・実地試験を行う。
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